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『おっさんずラブ』貴島彩理プロデューサーが語る、ドラマが描いた“ひたむきで純粋な恋

ドラマのバリエーションとして恋愛ドラマが増えてきている

──昨今、恋愛ドラマは視聴率が取れないから作りにくいという声を関係者から聞くこともあります。
貴島彩理それも昨年くらいから空気が変わったようにも思います。おもしろい恋愛ドラマもたくさん作られていて、昨年末でいえば『中学聖日記』や『大恋愛〜僕を忘れる君と』にハマっていました。たしかに一時期、1話完結の刑事ものや医療ものが多く放送されていた頃もあった気がしますが、視聴ツールが増えたからなのか、次の展開をドキドキして待ち遠しくなる連続ドラマが、また増えてきていると思います。私は、学生時代からいろいろな恋愛ドラマを見てワクワクさせていただきながら大人になったので、ただただ今自分が観てみたいと思うドラマ企画をぶつけるだけ。「当たるかどうか」なんて正直全くわからないですし、そんな何の信頼性もない若手にテレビ朝日がチャレンジさせてくれたおかげで、『おっさんずラブ』の今があるのだと思っています。

──現代の視聴者の心をつかむ恋愛ドラマとはどんな要素があると思いますか?
貴島彩理恋愛ドラマに限らずですが、「がんばっている人に報われてほしい」というピュアな気持ちが今の時代にはあるように感じます。『おっさんずラブ』も昔の恋愛ドラマでよく見かけた、わりとまっすぐでベタな展開が多かったと思うのですが、それを「こんなの観たことある」と一蹴するのではなくて、ひたむきに恋をしている登場人物を視聴者が心から応援してくださった。実社会では、どんなにがんばっても報われないことも多いからこそ、ドラマのなかでくらいは夢を見たい気持ちがあるかもしれないですね。

──たしかに貴島さんの作品には悪人が出てきませんね。
貴島彩理悪人ではないですが…主人公はだいたいダメ人間ですね(笑)。企画書を書いているとどうしてもそうなってしまいがちです。自分がポンコツだから、「困ったやつ」と思われながらも周りに支えてもらいたい願望が込められているのかもしれないです…(笑)。もちろん、ドラマとしては悪役が必要な作品もあると思います。それでも100%の悪というよりは、どこかひとつ、人間くささに共感できたり、好きになれる部分を作りたい。何より、その役に挑んでいただく俳優さんに、この役を演じてよかったと思っていただきたい。それが演じる上でのモチベーションにもなれば、という気持ちで作っています。

提供元: コンフィデンス

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