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『おっさんずラブ』貴島彩理プロデューサーが語る、ドラマが描いた“ひたむきで純粋な恋

「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞2018」の作品賞を受賞したテレビ朝日系『おっさんずラブ』。ドラマ終了後もその熱狂は冷めやらず、この夏はなんと映画化も決定。深夜の単発ドラマからスタートした企画が社会現象的なヒットとなった本作で、20代の若手プロデューサー・貴島彩理氏がつかんだ視聴者の共感とは? 自身も根っからのドラマファンである彼女に、これからのドラマ制作を聞いた。

今もどこかで登場人物たちが生き続けている

──まずは年間の作品賞受賞おめでとうございます。昨年の流行語大賞にも『おっさんずラブ』がノミネートされるなど、ドラマを超えた社会現象となった要因をどう捉えていますか?
貴島彩理一番の要因はキャストのみなさんが本当に丹念にキャラクターを作り上げてくださったこと。そしてそのキャラクターを、ドラマが終わった後も多くの方々が愛し続けてくださったことにあると思います。今もどこかで登場人物たちが生き続けている…と思える世界観を作りあげてくれたチームのメンバー全員に、心から感謝しています。


──昨年はドラマが豊作でした。そのなかでもLGBTのあり方や「おじさんを愛でる」という価値観といった時代性が描かれていたことも、審査会では評価されました。
貴島彩理制作発表時に「月9を目指します」と宣言したように、私たちはただただピュアな恋愛ドラマを作りたかっただけ。当時はなかなか信じてもらえず“ギャグを言っている”と思われることが多かったのですが、今はたくさんの方々に『本当に純粋なラブストーリーだった』と言っていただけて嬉しいです。LGBTをテーマに掲げるつもりも、おじさんを愛でようと作ったわけでもまったくありませんでした。ただ今にして思えば、すでに視聴者の側に“恋愛=男女間だけのものではない”という価値観を持った方が当たり前のように増えていて、『おっさんずラブ』はそんな優しく変わり始めた社会に、乗せていただいたドラマだったなとも思います。

──現在放送中の『私のおじさん〜WATAOJI〜』でもおじさんのかわいらしさがフィーチャーされていますが、企画を立てる際にそうした時代の風潮を取り込んだのでしょうか?
貴島彩理いえ、とくにそういうわけではありません。今までプロデュースさせていただいたオリジナルドラマ3本は、すべて16年12月30日深夜放送の単発ドラマとして出した企画がもとになっていて、恋愛ドラマ『おっさんずラブ』、学園ドラマ『オトナ高校』、お仕事ドラマ『私のおじさん』と、どれも自分がいつか手がけたいと思っていたドラマジャンルから発想したものです。だから、『私のおじさん』も、確かにタイトル的にはそう思われても仕方ないかもしれませんが、純粋に、言いたいことも言えなくて“心の2ちゃんねる”が大荒れ!という働く社会人のもとに、“自分にしか見えない毒舌妖精”が現れて、代わりに悪口を吐いてたまに仕返しなんかもしくれたら、どんなに辛い場面でもちょっぴり笑いながら過ごせるかな…と思って作った企画。じゃあその「妖精」を誰に演じていただこうと考えたときに、遠藤憲一さんとお仕事してみたい!と思っただけ。もちろん、『バイプレイヤーズ』や『メゾン・ド・ポリス』など、かわいいおじさんたちに、なんだか癒やされる…という気持ちは、いち視聴者としてとてもよくわかりますが(笑)。

提供元: コンフィデンス

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