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小芝風花、真面目すぎて損? 代表作との出会いと真面目を貫いて輝き出した個性

出演が多いNHKドラマ 真面目さをベースにしつつ役幅を広げる

 そんななか、小芝のひとつの転機になったのが、2017年の『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)だ。初のコメディで、主人公のマッサージ師(中丸雄一)を事件に巻き込む天真爛漫な新人従業員を演じて、振り切った顔芸を毎回見せた。本人は「最初は恥ずかしさもあった」と話しつつ、「友だちには『いつもの風花やん』と言われて『私、こんなアホなん?』と思いました(笑)」と根にある関西人らしさをのぞかせた。

 また、NHKドラマ10枠で昨年放送された『女子的生活』では、強気で毒を吐くセレクトショップ店員役で、トランスジェンダーで女装した主人公(志尊淳)とのベッドシーンも。NHKのドラマの出演が多く、真面目さをベースにしつつ、役幅を広げている。

 そして、連ドラで初めて主演に抜擢されたのも、NHKの『トクサツガガガ』。このドラマ10枠ではこれまで、産婦人科の感動だけでない現実を描いて文化庁芸術祭で大賞を受賞した『透明なゆりかご』や、名人落語家の親友と恋人を亡くしながら芸に身を投じた生涯を追った『昭和元禄落語心中』など、視聴率はともかく、良心的で質の高い作品が続き評価されている。

真面目を貫けばそれ自体が強い個性になり得ること示す

『トクサツガガガ』では隠れ特撮オタクの商社OL・仲村叶を小芝が演じ、特撮好きがバレかかるのを必死に取り繕うドタバタもありつつ、自分の好きなものを隠さないといけないもどかしさや、それでも「好きなものは好き」と曲げない気持ちは、オタクならずとも共感を呼ぶ。

 叶が職場では清楚で女子力が高いと思われているのは小芝のイメージのまま。その裏で、ヒーローのグッズに目を輝かせたりする姿にはリアルな特撮愛を感じ、脳内で妄想を繰り広げたり「変なロボ」といった周りの声に一喜一憂して漫画チックな表情を見せるのがおかしかったりもする。だが、叶もやはり根は真面目で、電車でお年寄りに席を譲ろうとヒーローの台詞を思い浮かべて奮い立ったりも。“女の子らしさ”を押し付ける特撮嫌いの母親に対して自己主張できない葛藤は、後半のカギになるようだ。

 優等生タイプの小芝にハマる役で、“良い子”ゆえ母親や世間の目を気にしてしまうところは彼女ならではの演技に見える。デビューから7年。真面目ゆえに突き抜けないのは不利になる芸能界だが、逆に真面目も貫けば、それ自体が強い個性になり得ると、今の小芝からは感じる。

 そこにコミカルな要素も加わって当たり役の『トクサツガガガ』は、彼女の代表作となりそうだ。デビュー以来、地道に積み上げてきた演技力はあるだけに、まさにドラマ10のテイスト同様、良心的かつ観る者に感動を与える女優として、静かなブレイクが期待される。
(文/斉藤貴志)

提供元: コンフィデンス

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