『東京コミコン 2018』にみるアメコミ文化の日本定着
『東京コミコン』の恩人スタン・リー氏への追悼も
その初日。オープニングイベントには、世界中で旋風を巻き起こしている『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のエズラ・ミラー、『アベンジャーズ』シリーズのロキ役で人気絶頂のトム・ヒドルストンという世界の2大スターが登壇。メインステージは周囲まで大勢のファンで埋め尽くされ、大歓声が飛び交った。
その一方、過去2回の『東京コミコン』開催に尽力するとともに名誉親善大使を務めていた、マーベルの生みの親であるスタン・リー氏の追悼映像が流され、東京コミックコンベンション実行委員会 実行委員長の胸組光明は、「『東京コミコン』の恩人であり、今年も来場する意向を示していましたが、残念ながらかないませんでした。しかし、スタン・リーさんの精神は『東京コミコン』に引き継がれています」と追悼コメントを送り、会場は温かい拍手に包まれた。
アメコミのコアファンから一般層への広がり
第1回の来場者は、アメコミのコアファンがほとんどだったが、回を重ねるに連れて、アメコミ以外にも映画会社などコンテンツホルダーの参加が増え、会場ステージでトークイベントや新作映像のお披露目などが行われるようになり、一般層にも広がってきている。
今年の初日の盛況ぶりは、いま世界中で人気のトムヒとエズラという2大スターのゲスト来場が大きいが、『東京コミコン』のイベントとしての進化も見逃せない。本家の『サンディエゴ・コミコン』のように海外ドラマや日本コミック、アニメなどポップカルチャー全般を扱う巨大イベントを目指すのか、日本のポップカルチャーとアメコミを取り込みながら独自の道を歩むのか。この先は未知数だが、来日ゲストとの交流会などコアファン向けのイベントに加えて、広く一般層も楽しめる祭典として浸透してきていることは間違いない。
今回の実績とともに来年以降の開催に注目していきたい。