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民放キー局の18年度1Q決算出揃う、日テレ&テレ東は増収、フジ大幅増益

 テレビ民放キー局各社の2018年度第1四半期決算(2018年4月〜6月)が出そろった。東京地区の投下量が低調であったことから、スポット収入が各社減収した。その一方、タイム収入は「サッカーW 杯ロシア大会」によって増収。また配信、イベントなど、放送外収入がけん引した動きもあった。各社の特徴的な動きをまとめた。
『シルク・ドゥ・ソレイユ』が貢献、フジが前年比183.2%の大幅増益
 18年度第1四半期のテレビ民放キー局の結果を各社別に見ると、日本テレビは売上高全体で前年比0.7%プラスの770億5800万円で増収したが、営業利益は前年比8.3%マイナスの125 億7700万円で減益。テレビ朝日は売上高が前年比1.0%マイナスの614億円、営業利益は前年比65.1%マイナスの18億2000 万円で減収減益、TBSも売上高が前年比0.4%マイナスの538億1100万円、営業利益は前年比36.7%マイナスの23億5900万円で減収減益だった。

 一方、フジテレビは売上高が前年比0.1%マイナスの637億8300万円で微減収となったが、営業利益は前年比183.2%増の大幅増益で24億8800万円。また、テレビ東京は売上高が前年比1.5 %プラスの281億5700 万円、営業利益は前年比33.2%マイナスの14億8800万円で減益だった。

民放キー局の2018 年度1Q のタイム収入、スポット収入一覧

  • 日本テレビ (C)ORICON NewS inc.

    日本テレビ (C)ORICON NewS inc.

  • テレビ東京のバナナ社員・ナナナ (C)ORICON NewS inc.

    テレビ東京のバナナ社員・ナナナ (C)ORICON NewS inc.

 各社の結果を整理すると、日本テレビとテレビ東京は増収したが、テレビ朝日、TBS、フジテレビは若干減収に。営業利益はタイム収入の増収に寄与した、「サッカーW杯ロシア大会」の番組制作費が増加したことで、フジテレビ以外は減益となった。

 さらに売上の内訳を見ていくと、前述の通り、各社ともにスポット収入の落ち込みが影響したが、視聴率が全区分でトップ、クール三冠を達成した日本テレビはタイム収入がスポット収入の減収をカバーして増収。

 テレビ東京は、放送外収入の伸びがけん引した。『TVチャンピオン 極〜KIWAMI〜』などの配信会社との連動企画や、『孤独のグルメ』、『勇者ヨシヒコ』、『ゴッドタン』等の人気シリーズの過去作などの追加印税が好調だったことに加えて、海外で『NARUTO -ナルト-』や『BORUTO-ボルト-』、『ブラッククローバー』等のアニメ作品が順調に売上を伸ばした。
  • フジテレビ (C)ORICON NewS inc.

    フジテレビ (C)ORICON NewS inc.

 また、放送外の収入の伸びは各社からも報告されている。TBS はショッピングをはじめ、昨年公開した映画『チア☆ダン』の配信が好調で、映画・アニメ事業の増収に貢献。テレビ朝日は、好評だった土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』の見放題独占配信が継続実施され、ビデオパスにおいては全ジャンルランキングでTOP10入り。

 営業利益についても唯一増益となったフジテレビは、大型イベント『シルク・ドゥ・ソレイユ』の貢献で大幅増益を達成したと報告されている。
4月期視聴率はテレ朝が全区分プラス、TBS&フジも健闘
 これら1Qの結果を受け各社代表が言及した内容も見ると、日本テレビ大久保好男社長は7月の定例会見で「シェアは上がったが全体としては依然厳しい状況が続いている」と慎重に答え、TBSの佐々木卓社長も7月定例会見で「スポットセールスは7月以降も、市況改善の明確な要素が見当たらない」と述べている。

 各社の放送収入の今後の動きについては市況に影響されることも大きいが、視聴率の推移によって業績向上も見込まれる。

 4月期においては、テレビ朝日は朝の報道情報ベルト番組が好調で全区分ともに前年比プラスの結果を残した。TBSは日曜劇場などのドラマの好調が下支えし、ゴールデン、全日ともに前年比プラスとなり回復している。フジテレビも4月期でゴールデン、プライムが上昇し健闘した。視聴率の順位に今現在変わりはないが、2位のテレビ朝日と3位のTBS がシェア拡大を狙っていることは明らかである。

 なお、通期予想については、各社ともにグループ全体の連結決算の見込みを発表している。日本テレビホールディングスは売上高4280億円、営業利益480億円、テレビ朝日ホールディングスは売上高3000億円、営業利益160億円、TBSホールディングスは売上高3670億円、営業利益180億円、フジ・ メディア・ ホールディングスは売上高6230億円、営業利益255億円、テレビ東京ホールディングスは売上高1523億円、営業利益60億2000万円を予想している。

文/長谷川朋子

(『コンフィデンス』8/20号掲載)

提供元: コンフィデンス

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