民放キー局の18年度1Q決算出揃う、日テレ&テレ東は増収、フジ大幅増益
一方、フジテレビは売上高が前年比0.1%マイナスの637億8300万円で微減収となったが、営業利益は前年比183.2%増の大幅増益で24億8800万円。また、テレビ東京は売上高が前年比1.5 %プラスの281億5700 万円、営業利益は前年比33.2%マイナスの14億8800万円で減益だった。
民放キー局の2018 年度1Q のタイム収入、スポット収入一覧
さらに売上の内訳を見ていくと、前述の通り、各社ともにスポット収入の落ち込みが影響したが、視聴率が全区分でトップ、クール三冠を達成した日本テレビはタイム収入がスポット収入の減収をカバーして増収。
テレビ東京は、放送外収入の伸びがけん引した。『TVチャンピオン 極〜KIWAMI〜』などの配信会社との連動企画や、『孤独のグルメ』、『勇者ヨシヒコ』、『ゴッドタン』等の人気シリーズの過去作などの追加印税が好調だったことに加えて、海外で『NARUTO -ナルト-』や『BORUTO-ボルト-』、『ブラッククローバー』等のアニメ作品が順調に売上を伸ばした。
営業利益についても唯一増益となったフジテレビは、大型イベント『シルク・ドゥ・ソレイユ』の貢献で大幅増益を達成したと報告されている。
各社の放送収入の今後の動きについては市況に影響されることも大きいが、視聴率の推移によって業績向上も見込まれる。
4月期においては、テレビ朝日は朝の報道情報ベルト番組が好調で全区分ともに前年比プラスの結果を残した。TBSは日曜劇場などのドラマの好調が下支えし、ゴールデン、全日ともに前年比プラスとなり回復している。フジテレビも4月期でゴールデン、プライムが上昇し健闘した。視聴率の順位に今現在変わりはないが、2位のテレビ朝日と3位のTBS がシェア拡大を狙っていることは明らかである。
なお、通期予想については、各社ともにグループ全体の連結決算の見込みを発表している。日本テレビホールディングスは売上高4280億円、営業利益480億円、テレビ朝日ホールディングスは売上高3000億円、営業利益160億円、TBSホールディングスは売上高3670億円、営業利益180億円、フジ・ メディア・ ホールディングスは売上高6230億円、営業利益255億円、テレビ東京ホールディングスは売上高1523億円、営業利益60億2000万円を予想している。
文/長谷川朋子
(『コンフィデンス』8/20号掲載)