さく裂する刺激とエンジン
スズキ久々のスーパーモタードである「DR-Z4SM」に試乗! 最新の400cc級デュアルパーパスモデルをベースに、タイヤを17インチ化してオンロードでの機動性を突き詰めた一台は、今どき珍しいほどにアグレッシブで、強烈な個性を放つマシンに仕上がっていた。
最近のスズキはお値段が強気
スズキDR-Z4S/DR-Z4SMが登場したとき(参照)は、「え、この時期にDR-Z復活?」と思った。日本や欧州では、前モデルの「DR-Z400」「DR-Z400SM」が生産終了になってから15年以上が経過している(北米では2024年まで発売されていた)。特に人気があるカテゴリー、排気量帯ではないから、もう姿を現すことはないのだろうと思っていたのだ。
DR-Z400、DR-Z400SMにはアメリカやヨーロッパにも根強いファンがいたから、大事に育てていこうということなのかもしれない。ただ、日本での販売価格は119万9000円である。同じくらいの予算で「スズキGSX-8S」や「カワサキ・ヴェルシス650」「ホンダCBR650R」が買えるし、少し足せば「ヤマハMT-09」や「BMW F900R」まで視野に入る。メチャクチャ強気な価格設定だ。
エンジンは新設計となったけれど、トランスミッションはDR-Z400、DR-Z400SMのときと同じ5段のまま。実際に走ってみれば5段でも十分なのだけれど、やっぱりそのあたりのスペックって気になるもの。実際にアメリカのDR-Z好きたちからは、「やっとインジェクションになったのに5段のままなの?」という声も聞かれた。アメリカでは、つい数年前までDR-Z400、DR-Z400SMが販売されていて、独自のポジションを確立していたから、細かい点や価格差が特に気になるのだろう。
そして問題は「KTM 390 SMC R」というライバルがいること。スペックだけ見るとDR-Z4SMよりパワーがあって6段トランスミッション、さらに車両価格も安い。ヨーロッパではKTMのオフロードやスーパーモタードに関するブランドイメージが強いから、ここに食い込むのが相当に大変だということは容易に想像できるのだが、「ライバルとか関係ねーから」ということなのかもしれない。
「スズキのバイクはコスパがいい」というイメージがあったから、DR-Z4SMの価格には相当な衝撃を覚えたが、これはたぶんアメリカ、ヨーロッパのライダーも同じだろう。「GSX-8T」「GSX-8TT」もそうだったけれど、なんか最近のスズキは思い切った値づけをするようになったなあ、なんて思うのである。もっとも、筆者ゴトーの友人たちからは「いやいや、スズキ頑張った。よくぞDR-Zを復活させてくれた」なんて喜びの声も上がっていて、実際に購入したライダーも何人かいる。全員が旧DR-Z400系からのファンで、普通のライダーに比べると強い思い入れを持っていたようである。...