新しいアウディの味
歴史的にも車格的にも、アウディの中核に位置している「A6」。その最新モデルが日本に導入された。往年の「100」から数えて9代目となる新型は、いかなる走りを備えているのか? 既存の車種とは一味違う、新時代のアウディのドライブフィールを報告する。
それは電気自動車のほうです
A6といえば、アウディの歴史においても100の系譜という最深部に属する、SUV全盛の現在でも精神的支柱となるモデルだ。ちょっと大げさになぞらえれば、トヨタの総代が「クラウン」ならアウディのそれがA6と言っても過言ではないだろう。
そのA6、初代100から数えれば58年目にして、9代目となる新型が日本でもいよいよ発売された……のだが、これを聞いたクルマ好きの読者におかれては、「?」の電球が頭にともっていることだろう。新しいA6という触れ込みのクルマは、既に昨年(2025年)、日本に上陸しているからだ。ただ、それは「A6 e-tron」、つまり電気自動車(BEV)専用モデルだった。一方で、今回導入されたのは内燃機を搭載する、従来のA6の延長線に位置づけられるモデルだ。
パワートレインも違えばプラットフォームも違う、なのに名前は同じA6とはこれいかに? と思われるのもやむなしで、アウディは2020年代前半、BEVを主軸に据えた新戦略に伴い、車両の命名の法則性を、内燃機=奇数、BEV=偶数というふうに改定した。2024年にはそれにのっとり、従来「A4」のポジションにあった内燃機モデルが「A5」として登場。それまでA5の名を冠していた2ドア/5ドアクーペ/カブリオレは、押し出されるカタチでディスコンになってしまった。が、わずか1年でその法則も変わり、BEVも内燃機モデルも、旧来通り車格に応じた数字並びの車名を踏襲することになったわけだ。
そのお約束ごとが適用された最初のクルマとなるこの新型A6は、発表が半年早ければスポーツバックを亡き者として「A7」を名乗ることになっていたのかもしれない。BEVを取り巻く欧州のすったもんだを今さらウジウジほじくるのも大人げないとは思うが、結局とっ散らかるのは現場とお客というオチを、アウディ/フォルクスワーゲングループのお偉いさんはどう考えているのかとも思う。...