孤高の高級BEV
前衛を身上とするフランスのラグジュアリーブランド、DSオートモビルから、新たなハイエンドモデル「DS N°8(ナンバーエイト)」が登場。当代屈指の性能を誇る電気自動車であり、かの地では大統領専用車にも選ばれる一台の、独創の魅力に触れた。
オシャレすぎるほどオシャレ
4年前、DSのフラッグシップセダン「DS 9」が発売された。それはそれはオシャレなクルマで、オシャレすぎて大多数の人類には理解不能だったらしく(私もです)、日本ではほとんど売れなかった。
シトロエンから独立したDSブランドのラインナップは、どれもこれもそんな感じで、超マニアックかつ超レアな、孤高の存在ばかりである。なかでもDS 9のマニアックぶりはハンパなかったけれど、その後を継ぐDSの新たなフラッグシップ「DS N°8」は、その上をいっている。
まず、パワーユニットは電気のみ(今のところ)。その時点で、本邦ではかなり孤高の存在になる。フランス製の大型高級BEVをあえて買おうという人は、決して多くはないだろうから。
ルックスはオシャレすぎるほどオシャレである。フォルムは流麗なるクーペルックのSUV。フロントマスクには口ひげが光で浮かび上がる。いや、これは口ひげじゃなく口そのものか? つまりヒゲクジラの口か? 私は長年口ひげを生やしているが、迷う。
前後にはDSのアイコンである左右の牙がズドンと貫通。これももちろん光で浮かび上がる。形状としては「レクサスLC」に近く、「レクサスの意匠が、フランスの大統領専用車(です!)に後追いされる日が来たか」と、日本人として誇らしくなる。
試乗車は、ルーフとボンネットがブラックに塗られていた。オプション装備(プラス6万円)だが、中高年カーマニア的には、こういうのは典型的な走り屋の手法。このクルマのキャラクターにはまるで合っていない(ように思える)。難解である。
全体としては、オシャレであることはだれでもわかるけど、前衛なのかキラキラ好きなのか、それともひたすらテンコ盛りなのか、判断が難しい。たぶん全部なのでしょう。...