最適解に宿る歴史の厚み
アルファ・ロメオのコンパクトSUV「ジュニア」にラインナップする電気自動車「ジュニア エレットリカ プレミアム」に試乗。1973年型の「GT1600ジュニア」を所有していたかつてのアルフィスタは、最新のフル電動アルファに触れ、何を感じたのか。
かつてと同じ命名規則
アルファ・ロメオ・ジュニアに乗るのは久しぶりだ。たぶん、30年ぶりぐらいじゃないだろうか――いや、この言い方は不正確というかミスリードである。今回試乗したのは2025年6月に日本導入が発表されたアルファ・ロメオ・ジュニア エレットリカ プレミアムで、30年前に愛車にしていたのは、1973年型のGT1600ジュニアだった。「ジュリア」シリーズのクーペである。この名前には思い入れがあり、新しいジュニアにも何らかの共通点を求めたくなってしまう。
現在のジュニアは、アルファ・ロメオのSUVラインで最も小型のモデルだ。Bセグメントに属し、グローバルな量販が期待されている。日本車でいえば「トヨタ・ヤリス クロス」や「ホンダ・ヴェゼル」あたりと同じサイズ感というとわかりやすい。兄貴分の「ステルヴィオ」と「トナーレ」よりも売れ筋になってしかるべきなのだ。
もちろん、ジュニアの名はかつてのモデルから採られている。1962年にベルリーナ(4ドアセダン)でデビューしたジュリアは、翌年にクーペの「スプリントGT」が加わった。その廉価版として登場したのが「GT1300ジュニア」だ。スプリントGTは最終的に2リッターエンジンを搭載するようになり、ジュニアも排気量を拡大したGT1600ジュニアに発展する。いずれにしてもジュニアはエントリーモデルの位置づけだったわけだ。だから、現在のジュニアもアルファ・ロメオの命名規則に忠実に従っているといえる。
最新のジュニアは大別するとハイブリッドの「イブリダ(Ibrida)」とBEVのエレットリカ(Elettrica)の2種類。試乗したのはエレットリカだ。アルファ・ロメオ初のBEVである。吹け上がりのいいエンジンこそがアルファ・ロメオの魅力だと思っていた世代が複雑な気持ちになるのは仕方がない。これも時代の流れであり、電動化を推し進める重要なモデルなのは確かだ。...