大事なことを忘れてました
FFへの歴史的転換からはや5年。「BMW 1シリーズ」がフルモデルチェンジを受けた。4代目となる新型でもドライブトレインのレイアウトはFFを踏襲しているが、そのドライビングフィールには確かな進化のアトが感じられる。「120」と「M135 xDrive」の仕上がりを報告する。
そもそも異端だった1シリーズ
BMWの1シリーズといえば“エフアール”なんて言っているのは、どうやら今では少数派になってしまったようで、実際に1シリーズのオーナーの多くは駆動形式には強いこだわりを持っていないそうである。ブランドのエントリーモデルでありコンパクトでお手ごろな価格帯にあるモデルは、BMWに限らずおおむねどこのメーカーでも同じような状況だろう。
そもそもパッケージを優先し、コンパクトサイズでキャビンスペースをできるだけ広く確保するためには、エンジンを縦置きにしてプロペラシャフトが部屋の真ん中を貫通するFRよりも、エンジンを横置きにして駆動系のすべてをAピラーより前方で完結させるFFのほうが理にかなっている。その当時、わざわざエンジンとプラットフォームを新設までしてつくったメルセデスの「Aクラス」を見ても、コンパクトカーにとってFFの駆動形式は合理的かつ常道の手段であることがうかがえる。そんななかにあって、常識を覆すがごとくあえてFRの駆動形式を携えこの市場に参入してきたのが初代1シリーズだった。それでも3代目になるとやはりFFの駆動形式に変更。1シリーズとしては4代目の新型もFFの駆動形式を踏襲して登場した。
ただし、BMWの場合はFFに“寝返った”というよりも、お家事情による苦渋の選択だったといえるかもしれない。BMWはMINIブランドを抱えることになり、そのFFプラットフォームを共有せざるを得なかったのだ。初代1シリーズに対するBMWの気概を思えば、もしMINIをつくる必要がなければ、FRの1シリーズはいまでも存続していたかもしれない。...