多芸多才な伊達男
人気を博す新世代「ドゥカティ・スクランブラー」シリーズのなかから、ダートトラッカーを思わせるカスタムスタイルが魅力の「フルスロットル」に試乗。元気な空冷Lツインで軽量ボディーを振り回す楽しさを、存分に味わった。
ただのオシャレバイクにあらず
ドゥカティ・スクランブラーが2023年にフルモデルチェンジを受け、この2024年から日本での販売が始まった。とはいえ同車が持つイメージはそのままで、ワイルド風味の装いとは裏腹にメインステージはもっぱら都会。パートナーと一緒ににぎやかなストリートを回遊しながら、ライディングウエアやオリジナルのカスタマイズを披露して自らの趣味のよさをアピールする。そんなオシャレバイクが、イタリアから来た新型スクランブラーである。
……てな具合に、勝手にニューモデルを結論づけていた自分をしかりつけたい。スイマセンでした。スクランブラー フルスロットルのシートにまたがって箱根のカーブをこなしながら、おのれの不明を恥じるばかり。ナンパ志向の先入観をブッ飛ばして、フルスロットルはファン・トゥ・ライドを強烈に印象づけるニューフェイスだった。軟弱ライダー(←ワタシです)は、「やっぱり峠に来てみてヨカッタなァ」と思うわけです。
モデルチェンジされたとはいえ、パワーソースとしてこれまでどおり「モンスター769」由来の空冷Lツインを、スチール製のトレリスフレームにつる。新たに軽量化された2バルブの“デスモドゥエ”ユニットは、803ccの排気量から73PS/8250rpmの最高出力と65.2N・m/7000rpmの最大トルクを発生。旧型のスペックと比較すると、カタログ上はやや高回転型に振られたが、実際には3000rpmも回せばズンと腹に響くパンチ力を見せ、4000rpm、5000rpmとスムーズに回っていく。...