未来への懸け橋
「シボレー・コルベット」史上初のハイブリッドモデルであり、初の4WDモデルである「E-Ray」。伝統の6.2リッターV8 OHVエンジンと先進の電動ユニットの組み合わせは、どのような走りを見せるのか? “初物づくし”のアメリカンスポーツの真価に触れた。
ハイブリッドは意外やシンプル
コルベット初のハイブリッドモデルに与えられたE-Rayなるサブネームは、いうまでもなく、電動(Electric)を意味する「E」と、本国仕様のコルベットのサブネーム「Stingray(スティングレイ)」をもじったものだ。さすがは英語ネイティブの国だけに、その字面といい、語感といい、E-Rayというそのネーミングは、めちゃくちゃカッコいい。
コルベットといえば、ジョー・バイデン現アメリカ大統領も、1967年に父親からプレゼントされた2代目コルベットを今も所有していることで知られる。ついでにいえば、高齢を理由にもうすぐ大統領の座を退くバイデンさんだが、さすがはサングラスネイティブの国(?)の人だけに、「Ray-Ban(レイバン)」をかけた姿だけは、80歳をすぎても見事にキマッている。なんにつけても、ネイティブ≒元祖に追いつくのは簡単ではない。
閑話休題。そんなコルベットE-Rayだが、ハイブリッドネイティブの日本車から見ると、その動力システムはよくも悪くもシンプルだ。その基本構成はフロントアクスルに仕込まれたモーター(最高出力162PS、最大トルク165N・m)と、センタートンネルに潜り込ませた1.9kWhのリチウムイオン電池だけである。
つまりE-Rayは電動4WDなのだが、高性能ミドシップのフロントをモーター駆動にして4WD化する発想に、市販車で先べんをつけたのは日本の「ホンダNSX」だった。ただ、NSXはリアにもモーターを組み込み、さらに左右独立フロントモーターのトルクベクタリングによる強烈な旋回性も売りとした。対するE-Rayは、リアエンジン周辺は従来のままで、ただフロントに電動システムを追加したカタチとなっている。荷室などの実用性にもほとんど影響はないうえに、6.2リッターOHVの「LT2」エンジンの502PS、637N・mというスペックや8段DCTのギアレシオも変わりない。...