軽快にして重厚
ドイツプレミアムブランドの中核モデルにおいてセダンとワゴンはクルマの両輪。新しい「BMW 5シリーズ」にも晴れて「ツーリング」が追加設定された。2リッターディーゼルターボエンジン搭載の「523d xDriveツーリングMスポーツ」の仕上がりをリポートする。
欲しい人がいる限り
お客さまの要望を何よりも最重要視して、マイナーチェンジやフルモデルチェンジの際にはひとつでも多くのお客さまの声を反映させたクルマづくりを心がける。つい最近試乗したホンダの新型「フリード」なんかを見ると、それが微に入り細をうがつほど徹底されていて、これこそが日本車の本分なのだなあと感心する。
いっぽうでお客さまの声を真摯(しんし)に受け止めるということは、お客さまが望まないことはしないということでもある。つまりお客さまが欲しない商品はつくらない。日本の自動車メーカーはついでにこっちもずいぶん重視しているようで、お客さまが欲しない商品=売れない商品はつくらない。クーペ、コンバーチブル、そしてワゴンが日本車のラインナップにほとんど見られないことがそれを証明している。ビジネスの観点からすれば、売れない商品をつくらないのは鉄則ではあるけれど、厳密に言えばクーペやコンバーチブルやワゴンが欲しいと願う人はゼロではないわけで、でも数が少ない=もうからないからつくらないというのは、ちょっと冷淡なやり方だとも思ったりする。
メルセデスやBMWのエンジニアとワゴンの存在意義について以前話したことがある。両者とも異口同音に「SUVをつくったほうが利益が出ることが分かっているけれど、それでもワゴンが欲しいというお客さまがわずかとはいえ一定数はいる以上、その要望に応えるのもメーカーとしての責任だと考えています」と正直に話してくださった。そしてその言葉どおり、メルセデスの「Cクラス」と「Eクラス」、BMWの「3シリーズ」にはワゴンが用意されていて、この度5シリーズにもワゴンが追加された。...