インドからの新風
この秋に日本に導入されるスズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」。インドをはじめ、各マーケットですでに高評価を得ているこのクルマには、日本導入も見越してのこだわりが盛り込まれているという。開発に携わった2人のキーマンに話をうかがった。
当初から想定されていた日本への導入
2024年秋ごろの国内発売を掲げるスズキ・フロンクスは、インドで生産される輸入車だ。インドから輸入されるスズキの四輪車は、2016年秋〜2020年夏に国内でも販売された初代「バレーノ」に続く2例目となる。
チーフエンジニア(CE)としてフロンクスの開発責任者をつとめた森田祐司さんは、初代バレーノでアシスタントCEをつとめた後、2022年にインドで発売された2代目バレーノのCEも兼任している。2代目バレーノとフロンクスは、クルマの基本骨格となるプラットフォームを共有している。
「私がバレーノのCEに就任した時点では、初代バレーノはまだ日本で販売されていましたので、続く2代目も当然ながら、日本でも販売することをイメージして企画・開発をスタートさせました。最初から日本導入をイメージしていたという点では、このフロンクスも同様です。日本でも受け入れていただける商品にするには、スタートのレイアウト段階から考慮する必要があります。たとえばグローブボックスひとつにしても、日本の販売現場では“ボックスティッシュくらいは入らないとね”という話になります。また、日本特有のETC車載器も最初のレイアウト段階からスペースを確保しておかないと、きれいにおさめることは難しいんです」
ただし、フロンクスの国内発売が予告された現時点でも、2代目バレーノの国内発売予定はない。このように、開発陣の思いと実際の販売戦略がずれてしまうことはなくはない。初代バレーノそのものはインドで2022年春まで販売されたが、日本では前記のようにモデルライフ途中で販売を終えた。
「初代バレーノも、日本で乗っていただいているお客さまには好評をいただいたのですが、やはり先進機能など、日本市場で重視される必要な機能や装備が足りなかったのが反省点でした。なので今回のフロンクスでは、そうした部分もきちんと充実させています」...