右足は知っている
「BMW M3」史上初の4WDモデルとしてラインナップされた「M3コンペティションM xDrive」に試乗。BMWのモータースポーツ部門として半世紀もの歴史を刻むM社が磨き上げた走りと、先に上陸した2WDモデルとのちがいを確かめた。
M3シリーズ初の4WDモデル
もともとは後輪駆動を売りにしているメルセデスやBMWでも、一定以上のハイパワーモデルでは、4WDにするのが現代の常識である。メルセデスもAMGとなると、変速機をリアに置いてトラクションを確保するトランスアクスルレイアウトの「AMG GT」以外は、ほぼすべて4WDとなってしまった。
BMWも「M○○○i〜」という車名が与えられる「Mパフォーマンスモデル」はすべて4WDである。さらに上級の最高峰たる「Mハイパフォーマンスモデル」も今や大半が4WDだ。SUV各車のMはもとより、「M5」や「M8」も4WDだけになってしまった。そのなかで今回の主役であるM3とそのクーペ版「M4」、そして「M2」は、BMWの高性能モデルとしては数少ない後輪駆動を守っている存在である。
とはいえ、M3/M4も現行モデルがデビューした2021年1月時点で4WDが用意されることも明らかにされていた。そして同年9月には日本でも価格を公表するとともに、FRから少し遅れての販売開始がアナウンスされた。というわけで、今回試乗したのは、そんなM3初の4WDである。
BMWの最新4WDシステム「xDrive」は電子制御油圧多板クラッチを使って駆動配分するタイプだ。FRレイアウトベースの場合は後輪駆動を主体としつつも、タイヤ回転数のみならず、速度やアクセル開度、舵角に応じて積極的に前輪にも駆動トルク配分をする。実際、乗り味的にも完全なFR状態になっている時間はとても少ない感触である。
しかし、このM3/M4に搭載される4WDはM5やM8のそれと同様、普通のxDriveとは一線を画す「M xDrive」と呼ばれるものだ。ハードウエアの構造こそ普通のxDriveと同じだが、制御がまるでちがう。...