豪快で爽快
ポルシェのハードコアモデル、新型「911 GT3」にモータースポーツの知見を最大限注ぎ、さらなるパフォーマンスアップを果たしたという「911 GT3 RS」。そのステアリングを握りペダルを踏み込んだなら、どんな世界が見えてくる?
進化のキモは空力性能
イギリスのシルバーストーンサーキットで行われた新型ポルシェ911 GT3 RSのプレス向け試乗会は、まず夕方のプレゼンテーション、そしてディナーからスタートした。ポルシェエクスペリエンスセンター内のレストランで催されたこのウエルカムディナーで筆者の隣の席に座ったのは、991.2(タイプ991の後期型)から使われている911 GT3用4リッターフラットシックスの開発を手がけたトーマス・マダー氏。先代GT3 RSの試乗会以来の再会となった彼はおどけてこう言った。「今回はエアロダイナミクスとシャシーにほとんどの予算が振り分けられたから、オレの仕事はそんなに多くなかったよ」。
実際、新型GT3 RSの空力、そしてシャシーの進化ぶりは、史上最高レベルといっていい。いまだかつて、GT3とGT3 RSに、これだけの差がつけられたことはなかったはずだ。
空力性能向上のキーがセンターラジエーターの採用である。これまでフロントバンパー下に、中央そして左右の3つのセクションに分けて配置されていたラジエーターが、大型のセンターラジエーターに集約され、両サイドの空いたスペースには可動式のフラップが配置された。
さらにスワンネックで支持された2分割式のリアウイングも、立った状態とフラットな状態の2段階に切り替わる。これらアクティブエアロダイナミクスと、他のさまざまな空力対策、例えばフロントスポイラーの代わりに装備されて空気の流れを上下に分割するフロントスプリッター、サイドブレード、フロントフェンダーに開けられたルーバー等々の組み合わせによって得られたのは、200km/h時に計409kg、285km/hでは実に計860kgという強大なダウンフォース。この数字は先代991.2のGT3 RSの2倍、現行型GT3の3倍という途方もない数字である。...