決意と覚悟
600km以上の一充電走行距離を誇るばかりか、最大7人が乗れるゆったりとしたパッケージングでいざとなれば悪路も走れる……。「EQS SUV」は一切の出し惜しみのないメルセデスの最新電気自動車だ。アメリカ・デンバーでその仕上がりをテストした。
パワートレインは3種類
メルセデスの電動化パワートレインを総括するコードネーム「EQ」が、BEV専用のサブブランド「メルセデスEQ」へと昇格したのは2018年のこと。そのファーストモデルとなった「EQC」の登場から4年で6モデルを展開している。そして7つ目のモデルとしてデビューするのがこのEQS SUVだ。
EQS SUVのコアとなる「EVA2」は、既にセダンタイプの「EQS」や「EQE」で採用されている。メルセデス自らちゃめっ気を込めて「エレクトリックスケートボードアーキテクチャー」とも称するこの車台は、想像のとおりフラットフロアの一面にバッテリーを敷設しながら、前後もしくは後ろにモーターを搭載することで4輪駆動もしくは後輪駆動の駆動環境を採るもの。バッテリーはニッケル・マンガン・コバルト=NMCの比率をポピュラーな6:2:2から8:1:1としたハイニッケル型のリチウムイオン型を採用し、コバルトフリー化に寄せながら性能向上を果たした。搭載バッテリーはEQSではグレードに応じて107.8kWhと90kWhの2つが用意されているが、EQS SUVは107.8kWhのみで、一充電走行距離はグレードに応じてWLTP値で最大609〜671kmとなっている。
そのグレードはパワートレインの役割を果たすモーターの数や出力に応じて3つを用意。ベースモデルとなる「450+」はメルセデスが「eATS」と呼ぶモーターをリアアクスルに搭載。最高出力360PS/最大トルク568N・mの後輪駆動となる。「450 4MATIC」はモーターを前後に搭載して4輪駆動化し、360PS/800N・mを発生。そしてトップグレードの「580 4MATIC」は544PS/858N・mをマークする。ちなみに580 4MATICの最高速は210km/h、0-100km/hは4.9秒。トップレンジだけあって最高速は内燃機モデルに合わせた一方で、動力性能は過剰な数値を追わず常識的にチューニングされているようだ。...