現役感バリバリ
2022年12月に生産を終了する第2世代の「ホンダNSX」。ファイナルバージョンとして登場した「タイプS」は、全世界で350台が販売され、日本への割り当ては30台のみという最終進化形だ。果たしてその走りは、最後の花道を飾るにふさわしいものなのか。
世界350台のうち日本向けは30台
タイプSは第2世代NSXの最終進化モデルである。2022年モデルとして生産されるタイプSは、全生産台数350台をアメリカ、カナダ、日本で販売した。この原稿を書いている2022年10月現在も、2022年末までとされるNSXの生産は続いているはずだが、“販売した”という過去形を使ったのは、日本向け30台も含めてすべての受注が終了しているからだ。
2022年モデルのNSXに標準型は存在せず、同年モデルとして生産されるのはすべてタイプSだそうである。つまり、欧州を含めたタイプSを導入しない地域では、NSXの販売は2021年モデルをもって終了している。
その総生産台数は、最終的に6年半で3000台弱になるそうだ。2016年に年間1500台ほどの計画でスタートしたことから考えると、第2世代NSXは、ビジネス的に成功とはいえなかった。
試乗車の車体色は、タイプSの代名詞ともいうべき専用の「カーボンマットグレー・メタリック」だった。同カラーは世界350台のうち70台、日本向けは30台のうち10台のタイプSに塗られるそうだ。
標準NSXに対するタイプSの特徴は次のとおりだ。冷却性能と安定性を増したエアロパーツの採用。(ガソリンパティキュレートフィルターを必要とする)欧州仕様に使われていた高耐熱型小径タービンや高密度インタークーラーにより出力が22PS、トルクが50N・m向上したエンジン。新開発の「ピレリPゼロ」タイヤ(サイズは標準のコンチネンタル製と同様)と、インセット変更で前10mm、後20mmワイドトレッド化したホイール。車体の動きをおさえるべくリセッティングされた可変ダンパー。使える出力と容量を向上させたバッテリー制御。20%ローギアード化して瞬発力と駆動力を高めたフロントモーター。そして、ダッシュボードとシート表皮に専用刺しゅうが施される。
その改良点は微に入り細をうがつが、大物コンポーネントには手はつけられていない。...