滑空感が気持ちいい
運動性能を極めようとすれば、どうしたってSUVよりもセダンタイプが有利だ。もちろん電気自動車(EV)でも事情は同じで、とりわけBMWの最新シリーズ「i4」は、EVのネガの部分がほとんど感じられない良作である。シングルモーターの「eDrive40 Mスポーツ」の仕上がりをリポート。
想定外(?)の好電費
都内を出発する時の残り航続距離は350kmほどだった。当日の目的地まで100km足らずで、しかもほとんど高速道路と一般道だったから、まあ順調にいけば途中で充電することなく帰って来られるな、と走りだしながら計算する。それが皮算用に終わることが多いのが現在の電気自動車の常識ではあるものの、途中撮影やらで電池を多少減らしても、1回の途中充電で足りるだろうとの想定である。
ところが、目的地に着いた時点での航続距離は出発時とほとんど変わらない数字が表示されていた。本当にこういうこともあるんだ! とびっくりである。確かに関越道を走行中にずいぶん“好電費”じゃないか、と感じさせる点が多かった。いかにも抵抗が小さいような滑空感に加え、特にエコ運転していないにもかかわらず瞬間電費も優秀、航続距離の数字もなかなか減らなかったのである。高速道路に乗ると途端に意気地がなくなるEVが多いなか、i4 eDrive40は結局帰途も途中充電することなく、都内に帰った時もまだ200km近くを残していた。
フロア下に搭載するリチウムイオン電池の容量は83.9kWh、WLTCモードの一充電走行距離は604kmと発表されており、その数字を見てもかなり効率が高そうなことは想像できるが、ご承知のように大切なのは普段実際にどのぐらい走れるのか? という実用的データである。カタログ数値の八掛けぐらいかな、と推測しながら実際はそこまでも届かないEVがほとんどだ。もちろん走行条件に大きく左右されるのは言うまでもないが、このクルマなら電池を減らさない運転に気を使うことなく遠出をしてもいい、と思った。頭の隅にずっと居座る航続距離という気がかりがなくなると、まるでしつこい肩こりから解放されたように気持ちが軽くなるのである。...