リベンジが始まる
「リーフ」で電気自動車(EV)の技術を培ってきた日産自動車が、2022年は「アリア」に続いて軽EVの「サクラ」をリリースする。「日本の自動車市場の常識を変える」と強気な姿勢だが、果たしてその仕上がりは?
日産が追う立場に
試乗前の説明会で「車名をヒマワリに変えようかと思いました」という発言があった。2021年の早い段階から、ネット上でサクラという車名が取り沙汰されていたことを踏まえての自虐ジョークである。和名を採用するのは、日産では初めてのことだ。1970年代に「チェリー」というコンパクトカーを販売していたことがあるが、それとは一切関係ない命名だという。
電動化を進める日産にとって、軽EVのサクラは重要なモデルである。世界初の量産EVとしてリーフを発売したのは2010年だった。パイオニアを自任して鼻息は荒く、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」では、ルノーと協力して2016年度までにゼロエミッション車の累計販売台数150万台達成を目指すとぶち上げた。4車種のEVを市販するほか、量産型燃料電池車も投入すると宣言したのである。
時期尚早だったことは否めない。予約を開始すると2カ月で販売目標台数の6000台に達したものの、アーリーアダプターに行き渡ると販売は伸び悩む。インフラが整備されていないことに加え、航続距離の短さと価格の高さがネックとなった。後にアライアンスを組むことになる三菱自動車が「i-MiEV」を発売していたが、他メーカーの追随がなく孤軍奮闘の苦しみを味わうことになる。
時代は変わった。世界的に電動化の潮流が強まり、自動車メーカーと各国政府が脱内燃機関を宣言している。ヨーロッパでは大メーカーが次々に急速なEVシフトにかじを切り、アメリカでは新興のテスラが「モデルS」「モデルX」などを続々と投入して成功を収めた。先行していたはずの日産は、今や追う立場である。...