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『潔く柔く』4週連続大特集!<第3回> 長澤まさみ&岡田将生 SPECIAL INTERVIEW
みんなの弟みたいな愛されキャラ[長澤まさみ]
長澤共演前は、かわいらしい人、笑顔が似合う人という印象を持っていました。お会いしてみて、愛されキャラ、現場のみんなの弟みたいな感じなんだなと思いました。女性のスタッフさんたちが、岡田くんのお母さんなのかなって思うぐらい世話を焼いていました(笑)。私は岡田くんの世話はしていないですけど。「世話焼かれてる〜」って見ていただけです(笑)。
岡田そんなに世話焼かれていましたかね(苦笑)。僕は、長澤さんの映画やドラマをたくさん観ていて、すごく明るい方なんだろうなと思っていました。ただ、僕が演じた禄と長澤さんが演じたカンナの関係から、現場であまり話したりはしないかなと思っていたんですけど、最初から話しかけてくれて。話しやすくて、こっちも明るくなる感じでした。
──長澤さんは原作漫画の大ファンだったそうですが、脚本を読んだ印象は?
長澤2時間にまとめるのがすごく難しいだろうなと思っていたんですけど、カンナと禄が抱えているもの、乗り越えていくものがちゃんと丁寧に描かれていました。惹かれ合っていくのも無理がないと思えて、ふたりが幸せになってほしいなと思えるようなお話になっています。波瑠ちゃんが演じた朝美に「あんたまだ15歳だね」といわれるシーンが印象に残っています。自分ではわからないことを友だちが見抜いてしまうのがいいなって思いました。
岡田僕は原作を読んでいなかったので、脚本が最初でした。作品の終わり方が新鮮でおもしろいなと思いました。禄とカンナの繊細な描写が伝わってきて、素敵な脚本だなと。僕は、禄の「(罪悪感は)なくならないよ、そんなもの。一生抱えて生きていくんだよ」っていうセリフが印象に残っています。僕はカンナみたいに引きずっちゃうタイプだと思うので、そういうことを言える禄は強い人間だなって感じて、そのセリフは大切にしようと思いました。
──言うのがちょっとだけ恥ずかしいと思ったセリフはありますか?
長澤この作品は、少女漫画のなかではクサすぎるセリフがない作品だと思うんです。いくえみ先生の作品は、少女漫画の良さもあるんだけど、そこに偏りすぎない。ちょうどいいところが好きです。私は他の作品でもっとクサいセリフを言ったこともあるので(笑)、全然恥ずかしくなかったです。
岡田僕もやっているときは気になりませんでしたけど、完成した作品を観たときに、こんなことを言ってたんだなって恥ずかしくなりました(笑)。カンナとのあるシーンで「アメンボあかいなアイウエオ」ってひとりで言うんですけど、あの場面で普通だったらなかなか言わないよなぁって(笑)。
長澤たしかにそれは言わないかも。男の人の方が、少女漫画的なセリフに対してアレッと思うことがあるのかもしれないですね。
感情をぶつけてきてくれるとうれしい[岡田将生]
長澤岡田くんが出演している『僕の初恋をキミに捧ぐ』と『パラダイス・キス』の2本を観ました。繊細な監督なのかなと思いましたし、冷静な人なのかもなとも思いました。カンナって、女の子からしたらちょっとイヤな女に見える瞬間があると思うんです。そういう部分のさじ加減を考えながらやっていこうと言ってくださって。やるべきことを明確に持っていらっしゃる方なので、私はすごく気持ちよく演技できました。
岡田監督は相変わらず恐い顔をしていましたね(笑)。初めて会ったとき、恐そうだなって思ったんですけど、しゃべると淡々としていて、人見知りで口べた。そういう印象がありました。演出も昔とあまり変わらず、疑問をぶつけると、納得できるまでしっかりと答えてくれる監督です。
──長澤さんは15歳と23歳、岡田さんは17歳と25歳を演じたわけですが、苦労した点は?
長澤すごく不安でした。2年前くらいに、これで高校生役は最後かなと思ったんです(笑)。だから、心配だったのですが、現場で高良(健吾)くんに「どう?」ってきいたら、「イケるっしょ!」って軽〜く言われて(笑)。高良くんは同い年なので、それで気が楽になりました。あとは、(中村)蒼くんと波瑠ちゃんと4人で一緒にいると、高校生の若いテンションみたいなものが自然にできて、その空気感を大事にしていきました。いつの間にか15歳になれた、そんな感じでした。
岡田僕もけっこうきつくなってきていますね。衣装合わせで学ランを着たら、監督にフッと笑われて、初めて人を殴りたいと思いました(笑)。だってせっかく覚悟を持って着たのに……。高校時代を撮ってから、大人のシーンを撮るということになっていたんですけど、天気の関係で順番が交互して、大人になったり高校生になったりしたのが大変でしたね。
──異性から見て、禄、カンナの魅力的なところはどこでしょうか?
長澤待ち合わせでケンカしておきながら、映画館で座ったときに「今日は来てくれてありがとう」ってさりげなく伝えるところとか、ズルいって思いました(笑)。女の子は、自分の思い通りにいかない男の子のことが気になると思うんです。ツンデレが好きなんじゃないかと。距離が縮まった瞬間に優しくなるのが禄のいいところですかね。誰にでも優しくしているんじゃないということですから。
岡田カンナは感情がストレート。そこにキュンときますね。ぶつかってきてくれるとうれしいじゃないですか。カンナのストレートなところが魅力的だと思いました。
──完成した作品で、それぞれ自分の出ていないシーンを観たときはどう思いましたか?
長澤禄が愛実と田沢湖に行くシーンは、撮影が大変だったろうなって思いました。禄が成長していく姿が描かれていて、すごくいいシーンになっています。それまで受け入れられなかったことをがんばって受け入れようとする禄の一生懸命なところが伝わってきました。
岡田僕は、海辺をカンナたち4人で歩いているところが好きですね。いいなぁ、青春。そっち(の撮影)に入りたかったなって(笑)。お祭のシーンとかも、待っている時間も楽しそうだなぁって思いました。
長澤ただ、お祭りのシーンは冬に撮影したので、気温マイナス2℃で浴衣は大変でした。白い息が出ないように氷を食べるというのを初めてやりました。それでも白い息は出るんですけどね。あまりにつらくてこの仕事の過酷さを改めて知りました(笑)。私も15歳だったら、氷を食べるのも楽しめたと思うんですけど、今はしんどい……。そんなふうに大人になってしまった自分がイヤです(笑)。
(文:岡 大/撮り下ろし写真:草刈雅之)
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映画『潔く柔く きよく やわく』
高校一年生の夏、瀬戸カンナは、自分に想いを寄せていた幼なじみのハルタを失う。
数年後。大学を卒業して映画会社で働くカンナは、出版社で働く赤沢禄と出会う。明るく、悩み事なく見える禄にも、実は小学生の頃、同級生の希実と一緒に事故に遭い、一人だけ生き残ってしまったというつらい過去があった。
ハルタの死の後、誰かを好きになる気持ちにふたをして生きてきたカンナ。そんなカンナを、禄は救い出そうとするが…。心の傷を抱えたまま大人になった二人は、まるで運命に導かれるように出会い、恋をする。 過去と現在、絡み合う複雑な人間模様、心に傷を負った二人にどんな運命が待っているのか――。
監督:新城毅彦
出演:長澤まさみ 岡田将生
波瑠 中村蒼 古川雄輝 平田薫/田山涼成 和田聰宏 MEGUMI
池脇千鶴 高良健吾
2013年10月26日(土)全国東宝系公開(C)2013「潔く柔く」製作委員会
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・『潔く柔く きよく やわく』映画公式サイト