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にぼしいわし『THE W』の難しさを熱弁 優勝めぐる“劇的な秘話”と意外すぎるコンビ結成エピソードも【オリコンライターズ】
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“ご褒美”で感じた「女王の仕事やなぁ」 個人事務所はにぼし社長も…いわしがため息
いわし「『満天☆青空レストラン』で、北海道の今金町に伺って、ジャガイモを食べたんですけど。信じられない量のじゃがいも食べさしてもらいました(笑)。なんかあの手この手で食べさせてくださって。ロケしてんな、これ女王の仕事やなぁって思いました」
にぼし「『世界まる見え!テレビ特捜部』に出させてもらった時に、オープニングでビートたけしさんからスモークをかけられるというくだりがあったんですけど、思っていた以上にしつこくって(笑)。勢いもすごかったんですけど、これがビートたけしかって思いました(笑)。体感20分くらいでした」
いわし「芸人してるなーって、めっちゃうれしかったです。さんまさんとかたけしさんって、テレビで見てるまんますぎて、まだ画面を通して見ている感じで、逆に緊張しなかったですね」
優勝賞金の使い道は、個人事務所『株式会社A-dashi(えぇだし)』の資本金。にぼしが社長に就任したが、いわしがその経緯を語っていく中で、ため息をついた。「フリー時代から2人でずっとやっているんですけど、ほぼ私がやっていたんですよ。ネタも書くし、請求書とか、いろいろなスケジュールも全部やっていて。(相方は)本当に何もしてなくて。だから、社長だけやらしてみようって。ただ責任負うのとかめちゃくちゃ嫌がるので、たぶんやらんやろうなって。でも、スタッフの方とも『ちょっと1回聞いてみましょう』ということになったので、『社長やる?』って聞いたら『うん』って返ってきて(笑)。後から聞いたら、社長って響きがかっこよかったからということで…」。
いわしが「資本金の話したと思うんですけど、我々100万ぐらいで作ったんで、本来は半分ずつぐらいで出すじゃないですか。どうしようって会議した時に(相方から)『ちょっと資本金の手出しを値切らしてほしい』と言われて(笑)。結局(自分が)71万出して(相方が)29万。やったら、ギャラも7:3でええやん(笑)」と訴えると、にぼしがほんわかとした空気で「やっぱりお金持つとちょっとケチになっちゃって、シンプルに出したくないってなっちゃって」と笑わせた。
いわし念願の“書籍化”裏に劇的な秘話が 『THE W』の見どころは“精神力”
「優勝のテープがひらひらと舞っている間、私は何を考えていたのかとか。いろんな気持ちを抱えながら優勝したなって思っていて。これまで全然テレビに出てなかったので、優勝後のテレビ出演が不安で不安で。できるんかな、大丈夫なんかなみたいな葛藤をちゃんと書かしていただいたら、連載中から同じ思いを持った方とか、会社を頑張るぞみたいな方とかに共感を得て、好評だったようで、本にもしましょうと。そして、帯がなんと朝井リョウさんで…。震えました。ダメ元でお願いしたら実現しました。だから『THE W』って、本当に夢があると思います。1歩1歩、なんか着実に近づけるし、なんかやったこともちゃんとね、評価されます」
今年は過去最多となる1044組がエントリー。ファイナリストは、エルフ(4年連続4度目)、紺野ぶるま(2年連続5度目)、電気ジュース(初進出)、とんでもあや(初進出)、ニッチェ(7年ぶり3度目)、パンツ万博(初進出)、もめんと(初進出)、ヤメピ(初進出)。5組が決勝初進出というフレッシュな顔ぶれとなった。優勝という最高の結果を叩き出したにぼしいわしが考える『THE W』の戦い方とは。
いわし「準決勝と決勝が違いすぎて、ほんとに難しいんですよ。準決勝のお客さん層と決勝のお客さん層って、どの賞レースでも違うんですけど、『THE W』が一番違いますね。準決勝でウケないと決勝に行けないし、準決勝でウケたネタが決勝で必ずやはまるとは限らないし。漫才だけ、コントだけとかだったら大体読めたりするんですけど、前がコントで爆発したら、自分たちのおとなしい漫才はどうなんだ…とか。最後の『もうええわ!ありがとうございました』の時点で優勝だなって思わせるような右肩上がりのネタを1年間作って。それは頑張りました。そういう意味でも見てて面白い大会というか、漫画みたいなんですよ。コロコロ変わるから」
そんな『THE W』の見どころについて、いわしは「精神力」と紹介する。「ホンマにアツいんですよ。決勝が終わると、みんなで、楽屋で『ふぅー』ってなって。男の汗かっこいいみたいのはあると思うんですけど、女の汗もまたちょっと違ってかっこいいんですよ。戦い終わった女の哀愁ってとんでもないものなんで、そこにすごく精神力をつぎ込んで、この大会1戦1戦大事にしてるなっていうのがわかると思う。そこに注目してほしいです」。
NSCで挫折し「お笑いを一度やめた」 一念発起で決意の年に『THE W』初決勝
NSCに入ってからも、強者たちが待ち受けていた。「ここでもまた挫折を味わいまして。NSCでは、ゆりやんレトリィバァという、とんでもない逸材に出会うんです。こういう人が売れていくんだっていうのを感じました。ゆりやん以外にも、ガンバレルーヤ、熊元プロレス、からし蓮根とか、男女ともに豊作の年だった。早めに挫折したので、お笑いを一度、4年くらいやめていたんです」。お笑いをやめていた間、2人の関係性はどんなものだったのか。いわしが、これまた不思議な関係を語っていった。「(にぼしが)NSCの入学金のお金を払えなかったんで、私と私のおばあちゃんで貸していまして。それを毎月3000円ずつ返しに、なんばの喫茶店に持ってきて。『きょうもありがとう。喫茶店のコーヒー代は、私が持つから』みたいなことをやっていて(笑)。そんななかで『M-1グランプリ』だけは、記念受験として、お笑いをやめてからも毎年出ていたんです。それで、一度ちょっといい結果になりそうで、じゃあ社会人やりながら、お笑いやろうかってなって、続けていたんですけど、社会人の時間が忙しいし、お笑い全然できひんからっていうことで、2019年の3月に仕事を辞めて、お笑い1本でやろうって言った。その年に、初めて『THE W』の決勝に行けたんですよ。もう調子乗るしかないじゃないですか(笑)」。
そこから上京し2年以内に『THE W』優勝という最高の結果を出した2人。王者として歩んだ2025年を漢字一文字で振り返ってもらうと、対照的な意見が返ってきた。
いわし「わたしは『文』です。この年にエッセイ書いてよかったなってめっちゃ思うんです。初めての経験が多すぎて、自分の脳内では処理できないスピードで番組に出たりとか、アンケート書いたりとかしていて、頭パンクしてたんですよ。でも、エッセイを書くことによって、だんだんと整理されてきたり、他の芸人さんやスタッフさんが『いわしは、こんなこと考えてんねや』がけっこう伝わりやすくて。助けてもらったり、アドバイスもらったりして、今年マジで書いてよかったなって思いました。今年優勝した方もぜひ文章を書いてほしい!」
にぼし「わたしは『毛』です。今年1年落ちたり上がったりを繰り返してまして。髪の毛と精神のバランスが(リンクする)。初めてテレビに出て、髪の毛をキレイにしていただいたら、心も変わる感じを初めて実感したんですよ。身なりを綺麗にして人前に出ることが大切なんやなって、わかった」
いわし「33歳や!そんなん、12〜13歳でみんなやんねや(笑)!」
にぼし「おもしろいこと言おうっていう気持ちになるので、毛は大事です!今年、人生で初めて携帯用くしを買ったんですよ(笑)」
(取材・文/ファンタスティック ムラオカ)
※取材の模様は、7日放送の『ライターズ!』(日本テレビ 日曜深夜1:30)でもご覧いただけます。