ORICON NEWS
水田わさび&大原めぐみ&かかずゆみ&木村昴&関智一:『ドラえもん』メインキャスト、20年の絆とこれから
『ドラえもん』メインキャスト(左から)かかずゆみ、大原めぐみ、水田わさび、木村昴、関智一(撮影:山崎美津留※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.
水田わさび(以下、水田)長く感じないんですよね。気づいたら「あっという間に20年経ったんだ!」という感覚です。私だけかな?
木村昴(以下、木村)僕もです。周りからは「もう20年なんですね!」と驚かれるのですが、「えっ、もうそんなに経ったの?」という感じです。
関智一(以下、関)まさにそんな感じ。
――木村さんは14歳からジャイアン役を務めていますよね。
木村そうですね。
かかずゆみ(以下、かかず)その成長をずっと見守ってきたわけですから、そう考えるとすごいですよね。
水田すっかり大人になったもんね。そう考えると長いのかな。
木村僕、人生の半分以上ジャイアンを演じてますから。
かかず時間が経っていますね。
木村毎週決まった時間にスタジオで顔を合わせるのが当たり前になっていて、もちろんそれ以外でも集まることはありますが、一緒にいることがルーティンになっているんですよね。だから気づいたら20年経っていたという感じがします。
かかずたぶん個々にはいろんな出来事があると思うんですけど、スタジオに入ると『ドラえもん』の世界にすっと戻れる、そういう20年だったのかな。
水田それこそが“家族っぽい”んですよね。家族って、いちいち大騒ぎしないじゃないですか。一緒にいるのが当たり前、みたいな。私は毎週、すっぴんでスタジオに行ってますから(笑)。
関遠慮なく、おならもできる関係ですしね(笑)。
かかず熟年夫婦みたいな(笑)。
水田お構いなしの関係性。
大原めぐみ(以下、大原)それだけ自然体でいられるってことですよね。
関いや、ちゃんと否定しないと本当におならしてると思われちゃいますよ(笑)。
木村アフレコ中にはさすがにしませんよ! でも、本番以外だったら気にしないくらいの関係性ではありますね。
大原すごく居心地がいいんですよね。
『ドラえもん』メインキャスト(左から)かかずゆみ、大原めぐみ、水田わさび、木村昴、関智一(撮影:山崎美津留※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.
秘密の共有から始まった強い絆
水田オーディションに受かったあと、正式発表まで誰にも言えない期間があったんです。その間に話せるのはこのメンバーだけで。
木村オーディションで決まってから世間に公表されるまで、すごく長く感じたんですよね。
水田本当の家族にも誰にも言えなかったので、共有できたのはこの仲間だけだったんです。
関秘密を共有することで、一気に結束が強まりましたよね。
木村そうですね。しかも、アフレコに入る前に稽古があって…。
関詳しくは言えないけど、阿鼻叫喚の稽古でした(笑)。
木村新しい『ドラえもん』を作るために、それぞれのキャラクターの方向性を探る時間があって、それが大変だったんです。そのプレッシャーを誰にも話せなかったのですが、「みんなで乗り越えよう!」と励まし合っていました。
水田その時点で、もう結束してましたよね。
木村その後、みんなで温泉やバーベキューに行ったりして、自然と仲良くなっていきました。僕だけ中学生だったので、少し立場は違いましたけど(笑)。
水田温泉やバーベキューの場に自分の子どもを連れていくと、昴くんが子どもたちと遊んでくれて、すごく助かっていた。
木村みなさんのお子さんたちのベビーシッターをしてましたから、いつ自分に子どもができても大丈夫です(笑)。いつかみなさんに結婚報告できる日を楽しみにしています!
水田お待ちしております(笑)。
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2025
木村ジャイアンの“あご力”です(笑)。詳細は言えませんが、今まで以上にすごいのでぜひ見てほしい!
水田本当にすごかった(笑)。
かかずしずかちゃんも、ひみつ道具をたくさん使って大活躍します!
水田監督は寺本幸代さん。女性監督ならではの、しずかちゃんの描き方もポイントですね。すごく現代的な女の子として描かれています。
大原のび太くんが、映画の中で“パパの絵”を描くのですが、彼の気持ちの変化に注目してほしいです。
木村映画のある部分で、のび太くんのパパが言うせりふが最高なんです。
水田めちゃくちゃ心に響くセリフですよね。特に大人に刺さる。
関映像美にも注目してほしいですね。中世ヨーロッパの世界が舞台になっているのですが、背景が絵画のように美しくて、すごく印象的です。
水田私は、のび太くんが描いた世界がすごく好きです。のび太くんが持つ温かさがすべて現れていると思います。
木村まだ観ていない方には伝わりにくいかもしれませんが、観たら絶対にわかるので、ぜひ劇場で体感してほしいです!
『ドラえもん』と歩んでいくそれぞれの覚悟
『ドラえもん』メインキャスト(左から)かかずゆみ、大原めぐみ、水田わさび、木村昴、関智一(撮影:山崎美津留※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.
水田私にとってドラえもんは最も遠くにいる存在。自分が演じているということは意識せず、これからも丁寧に向き合っていきたいと思っています。役があってこその役者なので、その重みをしっかり守っていきたいですね。いつか誰かにバトンタッチする日が来るわけですが、それまで大切に演じていきたいです。
木村でも、水田さんって地声がほぼドラえもんですよね(笑)。
水田あえて自分からドラえもんの声をやっています、ということは言わないようにしているのですが、「実は気づいてました」と言われることが増えてきました(笑)。それでも、やっぱり私にとってドラちゃんは特別な存在で、未だに「本当に私がやっているのかな?」と不思議に思うことがあります。彼の存在が大きすぎるんでしょうね。
大原私は、のび太くんの気持ちを深く理解しながら、これからも明るく楽しく元気に演じ続けていきたいと思っています。
かかず大人になったしずかちゃんを描いたエピソードがありますが、そのしずかちゃんのような穏やかで思いやりのある女性になれたらいいな、という憧れを持って演じることで自分自身の成長にもつながっていると感じます。しずかちゃんは、藤子・F・不二雄先生の優しさが詰まったキャラクターなので、その想いをしっかり受け止め、演じ続けていきたいです。
木村めちゃくちゃしずかちゃんですよね。
かかずそう言ってもらえるのうれしいのですが、そこはわさびさんと同じで、キャラクターとの距離感は大切にしたいと思っています。
木村その気持ちもすごくよくわかります。僕が生まれる前から『ドラえもん』は存在していて、先輩方の声で育ってきました。だからこそ、ジャイアンを演じていること自体、どこか不思議な感覚がずっとあったんです。でも、ここ数年で「いつまでもそんな気持ちでいてはいけないな」と思うようになりました。先輩方へのリスペクトを持ちながら、新しい時代の『ドラえもん』を自信を持って演じていくべきだと感じています。
たてかべ和也さん(先代ジャイアン役)が僕たちにバトンを渡すときに、「僕はジャイアンから、元気と勇気と人気をもらいました」とおっしゃったんです。その言葉がめちゃくちゃかっこいいなと思って印象に残っています。僕も、いつか次の世代にバトンを渡すときに、この言葉を胸を張って言えるようになりたいと思いました。だから、不思議な感覚はあるけれど、自信を持って「俺はジャイアンだ!」と演じ続けたいと思います。
関僕はいつも「2次元のキャラクターを3次元の存在として感じてもらえるように」ということを意識して演じています。スネ夫にはこれまでのキャラクター像がありますが、ただそれをなぞるだけではなく、新しい一面を出していけたらいいなと思いながら、これからも向き合っていきます。