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【話題のマンガ試し読み】ハイスペ男子が実はサイコパス?「しんどいくらい愛されたい」女性に支持される“狂気性”

  • LINEマンガ『偏愛カレシは私を躾けたい』(C)OOtake/LINE Digital Frontier

    LINEマンガ『偏愛カレシは私を躾けたい』(C)OOtake/LINE Digital Frontier

 昨今、エンタメ作品で「不倫」や「復讐」といったジャンルが定番化されているが、「狂気性」も同じくらいトレンドになっている傾向を感じる。LINEマンガで連載中の『偏愛カレシは私を躾けたい』も、平凡な女性が合コンで出会った“ハイスペ男性”に好意を持たれるが、徐々に彼の行動が異常な束縛へとエスカレートしていく…というサイコロマンスだ。作者のおおていくさんへ“最恐”のクセ強彼氏を描くこだわりについて聞いた。

最恐彼氏のモデルはAI? 女性が考える“理想の男の子”を具現化

 気の弱い主人公・安堂小春は、彼氏に浮気され、同僚には馬鹿にされ…と不憫続きの毎日を過ごしている。そんなある日、合コンで勘違い男に絡まれている小春を助けてくれたのは、ハイスペ会社員の佐久間蒼。その日をきっかけに佐久間は小春に熱烈に好意を伝えてくれるようになる。
――小春はどんなイメージで描かれましたか?

おおていくさん小春は、真面目でいい子で物腰がやわらかいので、いつも大変な仕事を任されている子、大学で代筆を頼まれやすい子などを参考にしました。物腰が柔らかいと「この人は何言っても怒らないんだ」って思われて、ドンドン押し付けられちゃう人っていますよね。

――読者からは「主人公弱すぎ」「小春みたいな鈍臭い女の子見てるとモヤる」と様々なコメントが寄せられています。

おおていくさん小春を描く時は、可愛くていい子だけど“ムカつく子”を意識して描いています。基本的にキャラクターに感情移入するんじゃなくて、第三者視点で客観的に見ながら描いています。

――そんな小春がハイスペ会社員の佐久間と出会うことで、物語が大きく展開していきます。「こんなイケメンならストーカーされてもいい」という声もありましたが、佐久間にはモデルがいましたか?

おおていくさん佐久間は、自分でもとてもイケメンに描けたなと自負しています(笑)。佐久間は女性が考える“理想の男の子”として強制されてきた人物なので、宇宙人が人間に擬態している・理想男性像を理解させたAIみたいに、“人に擬態している何か”みたいな意識で描いています。佐久間はこうすれば女性が落ちるっていう笑顔を持っていて、常にそれを振りまいています。

――佐久間が“ハイスペイケメン”であるがゆえに、小春にストーカー行動(思考)やサイコパスな特徴を見失わせてしまうのかもしれません。実際に、小春も佐久間のことを平凡な自分が出会うわけがない人、釣り合わない人と思っており、そんな彼から好意を持たれることで、自分に自信が持てるようになります。非の打ち所がない男として描くことで先生が伝えたかったことは?

おおていくさんハイスペで優しくて何でもしてくれて、自分は何もしなくても愛してくれて…それってこれ以上ない“幸せ”だと思うんです。でも「本当にそれはいいことなのか」「幸せなのか」「羨ましいのか」を1回考えてほしいですね。佐久間に好かれて自信を持っていく小春は現状、例えるなら“チート武器を手に入れて強くなっている状態”なんです。武器だけ強くても意味がないといいますか…。

エンタメで支持される“狂気性”「しんどいくらい愛されたい願望があるのかも」

――小春と佐久間のやり取り以外にも、合コンで出会った勘違い男や同僚女性のいやがらせなど、リアルにありそうなちょっと怖いエピソードがふんだんに散りばめられています。こういった話題はどこから入手されていますか?

おおていくさん実体験だったのかも記憶にないですが…。縁を切るほどでもないけれど、されたら嫌なことと思って描いた気がします。同僚の女性も合コンの男性も小春のことを舐めてはいるけど、別に嫌っていたわけじゃなくて、ただ自然と舐めているからああいう態度になってしまうところが、“人の怖さ”で良いよな〜と思って描きました。

――恋愛作品を描かれることが多い先生ですが、本作は「恋愛」のなかでも「サイコロマンス」と謳われています。こういったテイストの作品を描かれるのは今回が初めてですか?

おおていくさんサイコロマンスは初めてです! もともと「好き」って気持ちから「憎悪」が生まれる話が好きだったのですが、この話は「愛憎」というよりかは「純愛」な気がしますね。アイデアは「洗脳」やそういった事件を多く調べて着想を得ました。

――昨今のエンタメ作品では「狂気性」というのも、トレンドになっているように感じます。先生はなぜそういった作品が支持されていると思いますか?

おおていくさん最近は良くも悪くも「わかりやすく簡潔であること」が重視されている気がしていて、こういった狂気ものも“好き”が飛び抜けてわかりやすい点が、好まれている理由の一つだと思いました。あと、単純に「しんどいくらい愛されたい願望」が誰しもあるからかも…。

インディーズ作品との違い「読者へのご褒美」を意識

――おおていく先生は「LINEマンガ インディーズ」へ作品投稿もされていらっしゃいました。コメント欄にもインディーズ時代からのファンの声もありますね。

おおていくさん「LINEマンガ インディーズ」に投稿している作品は、自分のしたいように描いていましたね。例えば、キャラクターがこの時はどう行動するか、どう傷つけるかを重点的に考えて、楽しんで描いていました。

――「LINEマンガ」での連載となると、作品に向ける想いも変わりましたか?

おおていくさん編集さんから、読んでくれる人に「ご褒美をあげる」「どう読まれたいか」を意識してみてくださいとアドバイスをもらい、そういう考えも必要なのか!と、インディーズとの違いを気づかされました。自分は自分のキャラ方針で描き、読んだ人がどう受け取ってどう解釈されるかは“その人次第”で良いと今までは思っていたのですが、『どう感じて・どう思わせたいかをきちんと狙って、分かりやすさを重視する』。そこが1番気持ちで変化した部分かなと思いました。

――本作はタイトルからも「偏愛カレシ」や「躾」といった読者の目に留まりそうな、インパクトのあるワードが使用されています。これも狙いがあったんでしょうか。

おおていくさんタイトルは編集さんとかなり相談して出しあったもので、“人を惹きつけるキーワード”と、“タイトルから内容がわかりやすいもの”という意識で決定されました。

――佐久間の“最恐度”が毎回更新されていっていますが、ネタバレにならない範囲で、先生のおすすめシーンはありますか?

おおていくさんシーンではないですが、佐久間はずっと生まれた時から佐久間で、学習することはあっても影響はされないし、心の底では誰にも共感もしていない人物なので、ここが恐いところだと思います!

――読者からの反響で、印象に残ったものはりましたか?

おおていくさん3話の田中(合コンで出会った勘違い男)の顔がキモイってたくさん言ってもらえたのが嬉しかったですね。あそこ頑張ったので。

――本作を通じて、読者に伝えたいことを教えてください。

おおていくさんうまい話には裏がある! 搾取しているつもりが搾取されている側になっていないか!…ですかね。
『偏愛カレシは私を躾けたい』
作:おおていく
◇LINEマンガにて毎週水曜日更新
※3月12日(火)23:59まで「LINEマンガ」にて期間限定で無料話増量中

気の弱いOL安堂小春は、彼氏に浮気され、同僚には馬鹿にされ…と不憫続きの毎日。そんなある日、合コンで勘違い男に絡まれている小春を助けてくれたのは、ハイスペ会社員の佐久間蒼。その日をきっかけに佐久間は小春に熱烈に好意を伝えてくれるようになり、小春は浮かれっぱなし! けれど、佐久間の偏愛は徐々に異常な束縛へとエスカレートしていって…。 愛されたら、もう逃げられない。最“恐”彼氏のサイコロマンス、開幕!

■マンガの続きはコチラから『偏愛カレシは私を躾けたい』(外部サイト)

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