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【インタビュー】山田杏奈、2024年の目標は「しっかり生きる」 『ゴールデンカムイ』アシリパ役を好演

 俳優の山崎賢人(※崎=たつさき)主演で、野田サトルの人気漫画を実写映画化した『ゴールデンカムイ』が19日より劇場公開されている。本作で、主人公・杉元佐一に並ぶ重要キャラクター、アイヌの少女・アシリパ(※リは小文字が正式表記)を演じるのは、山田杏奈(23)。本作で一皮むけて、さらなる飛躍が期待されている。

 本作は、明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちによって繰り広げられる、サバイバル・バトルアクション。山田が演じるアシリパは、「不死身の杉元」と呼ばれる主人公、元陸軍兵・杉元佐一(山崎)がヒグマに襲われたところを助けたことから、埋蔵金の在りかの手掛かりが描かれた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて、一緒に旅をすることになる。

 メインキャストのビジュアルの再現度の高さですでに話題沸騰中だが、山田はそもそもアシリパ似と一部で言われていた。本人も「エゴサーチをしていた時に、『ゴールデンカムイ』の実写化キャスト予想でアシリパ役に私の名前を挙げている投稿を見つけたのがきっかけで、アシリパのことを知りました。実際に漫画を読んでみたらすごく面白くて、ネットでキャスト予想が盛り上がるくらい人気があるのも納得でした」と明かしている。
 今回の実写映画には、オーディションを経て出演が決まったが、「連絡をいだいて、マネージャーさんたちと喜び合いました。過去1うれしかったです」と振り返る。真冬の北海道などを転々とした撮影は、楽ではなかったはずだが、「本格的なアクションも、変顔をするのも、撮影期間が長期にわたったのも、ほぼ初めての経験でした。北海道の雪の上での走り方や立ち止まり方などから教えていただき、ありがたかったです」とやり遂げた充実感でいっぱいの様子だ。

 アシリパが身にまとう衣装も原作の完全再現を目指して作られた。複雑かつ美しい文様が印象的なマタンプシ(※シは小文字が正式表記)(幅広い鉢巻)やテクンペ(手甲)は、アイヌ工芸家の関根真紀氏に依頼して手作りされた一点もの。さらに、現在もアイヌ文化を色濃く残す二風谷(にぶたに※北海道沙流郡平取町)に作った、アシリパが暮らすコタン(集落)での撮影は、山田にとっても深く印象に残っているという。

 「アシリパ役をやることが決まって、アイヌ文化について本を読んだり、自分なりに調べたりしました。撮影は冬(2022年末)だったのですが、その年の夏に作ったというコタンのオープンセットを見た時は驚きました。実際に人が暮らしているような村がそこにあったからです。チセ(アイヌの家)の中での立ち振る舞いや身のこなしは、アイヌ語・文化監修の中川裕氏に指導していただきながら撮影に臨んだのですが、アイヌの衣装を身にまとって、エキストラとして入っていただいたアイヌの方たちに囲まれ、アシリパはここで育ってきたんだな、と実感することができました。とてもありがたかったです」

 劇中でアシリパが披露するアチャ(※アイヌ語で「父」という意味)から学んだ狩猟の技術やアイヌの知恵、大自然で生き抜く知識なども見どころの一つ。

 「彼女の魅力は、強さ。身体的な強さもありますが、精神的な強さがある。言い方を変えてしまえば、強くならざるを得なかった。そんな境遇にも関わらず、純粋なところが本当に魅力的だと思います。すでに、自分がコタンのみんなを率いていかなければならないという意識をしっかりと持っているところも大人だな、と思います」

2024年の目標は「しっかり生きる」

 山田は、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016年)でスクリーンデビューして以来、『ミスミソウ』(18年※映画初主演)、『小さな恋のうた』(19年)、『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)、『樹海村』(21)、『ひらいて』(21)、『山女』(23)など、さまざまな作品でめきめき頭角を現してきた。どちらかというと薄幸で影のある役を演じることが多かったが、本作ではビジュアル面はもとより、弓矢を射るなどのアクションから、ヒグマの解体、さらには変顔まで、原作漫画を高いレベルで再現し、実写作品ならではの血の通った演技を魅せる。

 俳優として自身の強みは「頑張れるところ」だという。「私は何でもすぐにできるタイプの人間ではないので、頑張って、頑張って、なんとかするんですけど、そうやって頑張れることも才能だよ、と母がほめてくれたことが支えになっています。壁にぶち当たっても、自分は頑張れる人なんだから、もうちょっとだけ頑張ってみようと思う。そういうところ、大事にしていきたいです」

 本作の役づくりでも、弓矢や変顔の“自主練習”に励んだことを明かしている。「弓矢を家に持って帰って、カーテンに向かって射ったりしていました。変顔はスマホのインカメラで撮影しながら、原作漫画と比べつつ、つくっていきました。いまでもスマホの中にいっぱい変顔があります(笑)」

 2024年の目標を聞くと、「しっかり生きる。ちゃんと食べて、ちゃんと寝て、ちゃんと仕事をして。そういう当たり前のことを一つ一つ日々しっかりやっていきたいなと思います」
撮影:松尾夏樹
ヘアメイク:菅長ふみ
スタイリスト:中井彩乃
監督:久保茂昭
出演:山崎賢人(※崎=たつさき)、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、蜿r太郎、泉澤祐希、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、高畑充希、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし
上映時間:128分※PG12

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