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暖房、「つけっぱなし」と「こまめに切る」どっちがお得? 家電のプロが解説「外気温〇℃が分かれ目」
寒いと、つい上げすぎてしまう…設定温度は何℃がベスト? 「湿度で体感温度変わる」
福田さんによると、何より効果的なのが、エアコンのフィルター掃除だという。
「エアコンの汚れは、能力の低下、消費電力の増加、本体の寿命を縮めることにつながります。実際に、エアコンフィルターを1年間掃除しないと、フィルターの目詰まりで、年間で約25%も電気料金が無駄になってしまうという実験結果もあります。この25%の消費電力量のアップは主に暖房時におけるもので、冬こそフィルター掃除をぜひ行っていただきたいです」
パナソニック製品「CS-F401D2」を使用した電気代31円/kWhでの実験では、フィルター掃除で年間約1万円以上の節約になるという結果が出ている。
「エアコン設定温度を高めに設定している方は、湿度をコントロールすることで、設定温度を下げたとしても、体感温度を上げることができます。冬は湿度を上げることで乾燥を防ぐだけでなく、暖かく感じられるので、加湿を心がけましょう」
「外気温が3℃未満のような厳しい寒さの場合は、室温が大きく下がりやすく設定温度に戻すために多くのパワーが必要となるため、つけっぱなし運転がお得です。一方で、3℃以上であれば、室内温度がそこまで下がらないため、こまめに消す方が電気代の節約につながることが分かりました。例えば東京の場合は、昨冬で最も平均気温が低かった1月の平均気温が5.4℃のため、基本的にはこまめに消す方がお得と言えそうです(※)」
※実際の電気代は、住宅の断熱性能やエアコンの設置環境等の使用条件によって異なる。
同じ設定温度でも、風量設定で電気代が変わる!? 効率良く暖める節約アイテムも
「環境にもよりますが、風量『弱』などの微風にすると設定温度に至るまで時間がかかり、逆に消費電力が増えてしまいます。一見節電に繋がりそうな微風ですが、人が調整するよりも賢く室温をコントロールしてくれる自動を積極的に活用しましょう」
「カーテンは床まで届くタイプにすると、冬は隙間から侵入する冷気を抑えることもできます。窓と部屋の間に空気の層をつくるために、カーテンを2枚使ったり、内窓を設置したりするのも良いですね。大きな窓やシングルガラスなど断熱性の低い窓の場合は、窓で冷やされた冷気が室内の足元付近に流れ込む“コールドドラフト”という現象が起こるため、断熱シートや断熱カーテンを利用することでより大きな効果が見込めます」
「冬の場合はエアコンの対角線上に設置し、上向きに風を送ると天井付近にたまった暖気が室内に循環しやすくなります。人に風が当たると体感温度が下がって寒く感じるので、送風する角度も調整しましょう」