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引きこもりコミュ障が“異世界転生”で覚醒…“打ち切り”からの逆転で人気作に「後悔しないよう精一杯生きる主人公は応援したくなる」

 2000年代以降に、アニメやラノベで人気を博し、マンガの世界でもすっかりジャンルとして確立した“異世界転生”もの。現在、LINEマンガで連載されている『コミュ障、異世界へ行く』は、引きこもりの“コミュ障”が、自身がプレイしていたスマホゲームの世界に飛ばされ、成長していく異世界バトルアクション。特に男性からの支持が熱く、ランキング上位に入っている。なぜ“異世界もの”は、こんなに熱い支持を集めるのか? 同作の原作で、過去に“打ち切り”の憂き目にあった経験のある山下将誇先生に話を聞いた。

特に意識しているのは“感情の動き”「感情を動かすことが“ドラマ”だと思っているから」

 連日のスマホゲーム三昧がたたって倒れ、そのゲームの世界に“転生”してしまった山岸ジュンペイ。天性の“コミュ障”の彼だったが、街の人の助けを借り、またやり込んだゲームの知識を生かして召喚士として、モンスター討伐をすることに。だが、それまで殺生したことのないジュンペイは、最初に現れた“雑魚キャラ”ゴブリンに大苦戦する。

――現在連載中の『コミュ障、異世界へ行く』は、LINEマンガの「トライアル連載」で人気を博し、本連載を獲得。本連載開始から1年が経過し、すっかり人気作になっています。好調の要因はどのようなところにあると思いますか?
山下将誇さん前作は本連載昇格に必要な読者数に全く届いていなかったため、今回もだめかもしれないと思いながらのスタートでした。本作も、連載当初は打ち切りになりそうなくらい読まれず、担当さんのSNSの投稿がバズったおかげで読者数が増え、連載を続けることができました。こんなにたくさんの方に読んでもらえることになるなんて想像もしていませんでしたが、たくさんのいいねや、コメントをいただいて、本当にモチベーションになっています。

――物語は、主人公のジュンペイがゲームの世界に飛ばされ、その世界で必死に生きていく姿が描かれています。主人公の成長物語はもちろん、思わぬ伏線が先の話で回収されるなど、読者に“ワクワク”させる展開が人気の理由かと思いました。物語の作り方で、何か意識していることは?
山下将誇さん感覚でやっているところもあるので、うまく言語化するのが難しいですね…。パッと思いつくのは、「キャラクターの行動には一貫性を」「物語のコンセプトを見失わない」「リアリティを大事にする。それが説得力のある世界を作る」「ご都合主義はない」「長期の目標と短期の目標を設定する」「窮地にこそ人の本性が表れる」「笑いを忘れない」「引きを大事にする」「キャラクターが何を考えているか、今どう思っているのか、内面を丁寧に描く」「キーワードに至るためのページ数は短く」「情報を出す順番をよく考える」といったところです。なかでも、特に意識しているのは「感情の動き」かもしれません。それは、感情を動かすことが“ドラマ”だと自分では思っているからです。

このペースで進めると200話を超える!?「どこかでペースアップしなければ」

――「内面を丁寧に描く」「感情の動き(を意識する)」という点では、時にズルく、楽な方にいこうとする“人間らしさ”を出しながらも、仲間(召喚獣)を思いながら、必死で頑張っていくジュンペイの姿が印象的です。そんな主人公だからこそ、多くの人の共感を呼んでいるのではないかと思いますし、“異世界転生”作品の人気の理由がそこにあるような気がします。山下先生は、どのようにお考えですか?
山下将誇さんその時々で流行りはあると思うので一概には言えないと思いますが、現実では冴えなかった人物が別の世界で成功するという要素は、憧れや共感できるものがあると思います。前世では悔いがあったから、次は後悔しないよう精いっぱい生きるというような主人公は応援したくなります。異世界転生といってもさらに細分化され、そのなかにさまざまなジャンルがありますので、ヒットする要因は分からないのですが、私が好きな作品はすべて主人公を応援したくなるものでした。

――本作でもジュンペイは、応援したくなる存在ですね。
山下将誇さんジュンペイは、出来ないことでも、その中からなんとか出来ることを必死にやっていく人。作者の立場としても、これから壁にぶち当たって挫けそうになった時は休んでもいいので、諦めずに少しずつでも前に進んで欲しいと願っています。皆さんも、これからも温かく見守っていただけるとうれしいです。

――これまで57話(記事公開時の話数確認)連載されてきたわけですが、今後どのような展開になっていくのでしょうか? ジュンペイの新たな物語が始まっていくのでしょうか?
山下将誇さん近々街を出て新たな街へと向かいます。そこでまた新しい出会いが待っているかもしれません。ただ今のペースだと最初の街を出るまでに60話以上かかってしまいそうです。描きたいことを全部描いていたら200話超えるんじゃないかと焦っているのでどこかでペースアップしなければと考えています。

――200話とは、壮大な物語になっていきますね! それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。
山下将誇さんこの場をお借りして、作品を読んで応援してくださるすべての方に感謝を申し上げます。また、ファンアートもSNS上で沢山の方に描いていただけて(作画の)宇上先生と嬉しさを分かち合い、本当に嬉しくて作品作りの原動力になっています。これからも宇上先生と、もっともっといい作品を描けるように頑張りますのでお付き合い頂けますとうれしいです。

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