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「第95回アカデミー賞」受賞結果

 現地時間3月12日、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで世界最高峰の映画の祭典「第95回アカデミー賞授賞式」が開催され、最多ノミネート(10部門11ノミネート)の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が前評判通りの強さを発揮し、最多7冠に輝いた。主演男優賞は、一時期のキャリア低迷からの復活を遂げたブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』)が受賞した。

 授賞式は、5年ぶり3度目の司会を担当するジミー・キンメルが、『トップガン マーヴェリック』の戦闘機から降下するという演出で、パラシュートを背負って天井からステージに舞い降りた。キンメルは「暴力的行為した人には主演男優賞を差し上げます」「もし、ジョークが気に入らず、ステージに上がろうとしたらクリード(マイケル・ B ・ジョーダン)、もしくはミシェル・ヨーが私を守ってくれます。マンダロリアン(ペドロ・パスカル)、スパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド)までいますよ」と昨年のウィル・スミスによるクリス・ロック殴打事件をジョークにした。

司会のジミー・キンメルが“Naatu Naatu”のダンスに押されて退場するパフォーマンスも(C)Getty Images

司会のジミー・キンメルが“Naatu Naatu”のダンスに押されて退場するパフォーマンスも(C)Getty Images

 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞の最多7部門を制覇。『西部戦線異状なし』が4部門(国際長編映画賞、撮影賞、美術賞、作曲賞)で続いた。

 助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンは涙ながらにステージに上がり「こんなストーリー、映画でしか起こらないと言うけど、起こりました!」と感激を口にした。アジア系男優の助演男優賞受賞は1985年のハイン・ S ・ニョール(『キリング・フィールド』)以来28年ぶり史上2人目となる。

 そのキー・ホイ・クァンと『原始のマン』(1992年)で共演しているブレンダン・フレイザーは、『ザ・ホエール』にて特殊メイクを駆使して体重272キロの主人公を熱演し、見事オスカー像を獲得。「信じられない」と涙を流した。

 主演女優賞に輝いたミシェル・ヨーは、スピーチで「私のような見た目の男の子たち、女の子たち、見ていますか?」と語りかけ「これ(受賞)は、皆さんの希望の証、夢は実現するという証です。そして、女性のみなさん、誰にも『歳を取り過ぎた』なんて言わせてはいけません。この受賞を私の母に、そして世界中のお母さんたちに捧げます。彼女たちこそがスーパーヒーローです」と訴え、喝采を浴びた。

 最後に発表された作品賞のプレゼンターを務めたのはハリソン・フォード。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でフォードと共演しているキー・ホイ・クァンは 『 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 』 の受賞が発表されると、大喜びでステージ上でフォードと抱擁を交わしていた。

助演男優賞のプレゼンターを務めたアリアナ・デボーズ(右)&トロイ・コッツァー(左)に祝福されるキー・ホイ・クァン(C)Getty Images

助演男優賞のプレゼンターを務めたアリアナ・デボーズ(右)&トロイ・コッツァー(左)に祝福されるキー・ホイ・クァン(C)Getty Images

 恒例の歌曲賞のパフォーマンスには、リアーナ(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー 』“Lift Me Up”)ら、豪華な顔ぶれが出演。女性を主人公に据えた7編からなり、日本から杏が出演した短編『私の一週間』(呉美保監督)も収められている『私たちの声』の主題歌 ”Applause” (作詞・作曲:ダイアン・ウォーレン/歌唱:ソフィア・カーソン)も披露された。事前に出演が発表されていなかったレディー・ガガがサプライズで登場し、“Hold My Hand“『トップガン マーヴェリック 』 )を歌い上げた。

『私たちの声』”Applause” を生歌唱したソフィア・カーソン(C)Getty Images

『私たちの声』”Applause” を生歌唱したソフィア・カーソン(C)Getty Images

『トップガン マーヴェリック』“Hold My Hand”を生歌唱したレディー・ガガ(C)Getty Images

『トップガン マーヴェリック』“Hold My Hand”を生歌唱したレディー・ガガ(C)Getty Images

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』“Lift Me Up”を披露したリアーナ(C)Getty Images

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』“Lift Me Up”を披露したリアーナ(C)Getty Images

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』“This Is A Life”を披露したデヴィッド・バーン(C)Getty Images

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』“This Is A Life”を披露したデヴィッド・バーン(C)Getty Images

 歌曲賞はこの日も圧巻のパフォーマンスを見せた『RRR』の“Naatu Naatu”が受賞。インド映画の歌曲賞受賞は初の快挙となった。このほか、インド映画『エレファント・ウィスパラー : 聖なる象との絆』が短編ドキュメンタリー賞を受賞するなど、『 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、監督のダニエル・クワンらの受賞とあわせて、アジア系の作品、俳優、クリエイターの躍進が目立つ受賞結果となった。

歌曲賞に主題歌がノミネートされたアンソロジー映画『私たちの声』の中の一編『私の一週間』に出演した杏、呉美保監督、鷲尾賀代プロデューサーも出席(C)Getty Images

歌曲賞に主題歌がノミネートされたアンソロジー映画『私たちの声』の中の一編『私の一週間』に出演した杏、呉美保監督、鷲尾賀代プロデューサーも出席(C)Getty Images

 授賞式では、司会のジミー・キンメルが、ロバを連れてくる場面も。これは、主演男優賞(コリン・ファレル)、助演男優賞(ブレンダン・グリーソン)、作品賞、監督賞(マーティン・マクドナー)、脚本賞、編集賞、作曲賞などにノミネートされていた『イニシェリン島の精霊』に、ロバが大事な役どころとして登場するほか、国際長編映画賞にノミネートされていたポーランド映画『EO』の中にもロバが登場する。フランスのロベール・ブレッソン監督の名作『バルタザールどこへ行く』(1966年)に、現代の作り手がオマージュを捧げたものだった(※バルタザールはロバの名前)。

司会のジミー・キンメルがロバを連れてくる場面も(C)Getty Images

司会のジミー・キンメルがロバを連れてくる場面も(C)Getty Images

『第95回アカデミー賞授賞式 字幕版』

3月13日 後10:00〜WOWOWで放送・配信
3月21日までWOWOWオンデマンドでアーカイブ配信

番組オフィシャルサイト:https://www.wowow.co.jp/extra/academy/

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