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『特別養子縁組』で赤ちゃんを迎える日の慣例とは? 実体験を描く漫画に反響「誰かのためになれば」

  • 『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)

    『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)

「特別養子縁組」で息子を迎えるまでの日々をSNSで公開しているあきママさん(@aki.engumi)。情報を集めることに苦労した自身の経験から、「誰かのためになれば」という思いで体験を描く。中でも “赤ちゃんを迎える当日、斡旋団体担当者に食事を提供する”というエピソードは大きな反響を呼び、その背景と意図について丁寧に綴っている。近年、社会的関心を集めながらも、その実態についてはまだまだ知られていない「特別養子縁組」。あきママさんに話を聞いた。

今は子ども本人への真実告知が一般的、小学校入学前に認識する子がほとんど

 今年4月、“赤ちゃん引き渡し日は斡旋団体の担当者にご飯を用意する”というエピソードをあきママさんがSNSで公開すると「接待しろってこと?」といった否定的なコメントが数多く寄せられた。これらの意見をうけ、あきママさんは「これは本部から長旅で養親のもとに来る赤ちゃんのための最善の行動」であるとし、「団体の皆様は日々赤ちゃんや、実母さんや養親のために頑張ってくださっていて、そこを誤解しないでほしい」と呼びかけた。
  • 赤ちゃんお迎え当日のエピソードの反響に驚くあきママさん。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    赤ちゃんお迎え当日のエピソードの反響に驚くあきママさん。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

――「赤ちゃんお迎え時の食事提供」のエピソードは大きな反響をよびました。この他にも「特別養子縁組」に関して一般的にはあまり知られていない慣例などはありますか?

【あきママ】 「お迎え時」のこともそうですが、お世話になる斡旋団体によってルールが違うので、あくまでも私たち夫婦のケースに関してのお話しになりますが、Instagramのフォロワーさんたちは「お迎えに他の養親家族も来てくれる事」「今は真実告知が一般的な事」「事前に子供の名前を団体さんに提出しておく事」「希望してもすぐに赤ちゃんが来るわけでは無いこと」などに驚かれたみたいです。

――あきママさんご夫婦の息子さん、そらまめ君の「お迎え」当日も、空港に複数の養親家族がいらっしゃっていました。

【あきママ】 お迎えに他の養親家族も来てくれるのは、「養子で迎えた自分の子どもに自分がどんな風に家に来たのか見せて上げるために来てくれる」と聞いていて、なるほどそれは確かに必要な事だ! と思っていましたが、実際自分の息子のお迎えの時、みんなに「おめでとう!」って言って貰えて、賑やかに息子を迎えてもらえて、なんだかとても幸せで、すごく色んな意味がある素敵な慣例だなって思いました。
  • そらまめ君のお迎え日に集まる他の養親家族『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    特別養子縁組で子どもを迎えるには?『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

  • 事実告知について『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    真実告知の方法は?『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

――他の養親家族を交えての「お迎え」は、その家族たちの真実告知の場にもなっているんですね。

【あきママ】 私たちがお世話になった団体では、だいたい小学校入学前には真実告知を行うよう指導していました。なので、物心つく頃から自分の生い立ちについて普段から家庭でナチュラルに教えてもらっている子が多いのですが、「お迎え」の日にも本当にナチュラルに「飛行機できたねー」などと触れていて、こんな風に話されているんだな…と勉強になりました。

 私も告知はあまり特別なイベントとしてするつもりはなく、日常の中でいつでも会話にしていければいいなと思っています。『実母さんに送るアルバム作るよー』と声をかけて一緒に作ったり。子どもがいつでも実母さんの事や、自分の生い立ちの事を聞きやすい環境にしてあげたいなと思っています。

「ほんとに子どもが来るのか不安」待機期間中のさまざまな葛藤

――子どもの名前を事前提出するのも意外でした。

【あきママ】 これも団体によって方針があるようです。「名前は実母さんからの最後のプレゼント」という方針で実母さんがつける場合もあるそうですし、実母さんの意思で名付けも養親さんに託す場合もあるそうです。私たちは、事前に男名と女名で第2希望まで提出しました。養親がつける場合は、団体の担当者がその名前で実母さんにも確認をとり、問題がなければ出生届をだしてくださいます。

――費用に関することもあまり知られていません。民間の斡旋団体で「特別養子縁組」をする場合、費用はかかるのでしょうか。

【あきママ】 一般的には50万〜200万円だと言われており、うちもその範囲内です。実母さんの状況などで金額は大きく前後するそうです。

――いろんなケースがあるんですね。あきママさんはそらまめ君が来るまでの「待機期間中」に最も大変だったことはどのようなことでしょうか?

【あきママ】 私もそうですが、フォロワーの養親さんに聞いても、やはり「ほんとに子どもが来るのか不安」というメンタル面ですね。

――作中では、「待機期間中にさまざまな葛藤があった」とありました。

【あきママ】 実は私たちは3度目の「該当」でやっと子どもを迎えることができました。1度目は実母さんの都合で、2度目は漫画でも書いた通り団体さんに怒られて委託が流れてしまい…。それからは、ほんとにこのままこの団体さんにいていいのか、でも他の団体さんで1からまたやり直すのは大変、じゃあこのまま何もせず待ってて委託が来るのか、そうしてる間にも自分の年齢が上がっていって他でも委託されずらくなるんじゃないか…なんて事をぐるぐるずっと考えてました。

 また、団体にもよるとは思うんですが、基本「委託」が来たら、それを最優先に動かないといけない決まりで、(仕事などを理由に断ると登録自体がダメになる)お仕事されてる方はいつ来るのか分からない委託の為に仕事を調整するのはすごく大変だったそうです。子どもも来てないけれど、仕事を辞めるという方も多く、やる事がない状態で家にこもってしまう事で、先も見えないと、メンタルに来てしまう事もありますよね。
  • 3度目の該当で息子そらまめ君と出会えたあきママ夫婦。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    2度目の縁組の該当は思いもよらぬ事態に。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

  • 2度目の該当は思いもよらぬ事態に。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    待機期間中に思い悩むあきママ。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

特別養子縁組で息子と出会ったけど別に『特別』な家族ではない

――今後、「実母」の方とはどのような関わり方をされるのでしょうか?

【あきママ】 実母さんとは基本ほぼ関わりはなく、1年に1回団体さんを通して成長アルバムを送ります。実母さんから玩具などが送られる事もあるそうですが、我が家は今の所特にないです。実母さんは、大切な息子を産んでくれた方なので、出来れば幸せでいてほしいなぁと思います。養子に出すからには、きっと色々な事情があっての事だと思うので、その上でよく産んでくれて、よく斡旋団体に行ってくれた!って言う感謝の気持ちはありますが、実際会ったことはないので説明するのがなんだか難しい感情です。でもいつか息子に真実告知をする時、息子にとって特別な人としてイメージされるかもしれないので、どうか息子の事は、手放したけど心の中で大切に思っていてくれたらいいなぁ。と勝手に思っていたりします。

――「特別養子縁組」について悩まれている方も多いと思います。経験者として今の心境を教えてください。

【あきママ】 特別養子縁組は子どもが来るまではそこそこ大変かもしれないですが、子どもが来た後はほんとに毎日幸せで、後悔なんて何もないです!今はむしろ息子が可愛すぎて、案外私と旦那の遺伝子でできた子より可愛いんじゃ…と日々思いながら旦那さんの無精子症に感謝の日々です!迷ってるなら絶対進んだ方がいいですよ!まずは説明会からです!

――『特別養子縁組への道』『実子への道』を通じて、最も伝えたいのはどのようなことでしょうか?

【あきママ】 私たち夫婦は「特別養子縁組」で息子と出会ったけど別に『特別』な家族ではなくごく普通の家族だし、「特別養子縁組」ってもしかしたら『可哀想』とかってイメージがあるかもしれないですが、そんなこと無くすごく幸せな選択だって事がもっと広まると嬉しいです。
  • 。『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

    『特別養子縁組で実子への道』(@aki.engumi)より

――最後に、今後の子育てについて方針などをうかがえますか。

【あきママ】 そらまめが健康でいる事以外「こーなってほしい!」って特になくて。でも私自身、昔から自己肯定感だけはやたら高くて、おかげでどんな時でも自分を信じて幸せでいられたなぁって思ってるんですね。それは私の母がいつも「可愛い可愛い」って言って育ててくれたからだと思っているので、そらまめにも毎日「可愛い可愛い」「大好き大好き」って伝えて、自分の事を好きになってくれたらいいなぁって思ってます。その上でいつか「くそばばぁ」とか言われる日が来てもまぁ別にいいかなって、今は思っているので、本人が幸せに生きられたらいいですね。
あきママさんINFORMATION
▼Instagram
aki.engumi
▼ブログ
https://akimama.insta-read.com/

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