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衝撃の『乳ガンダム』に、エクレア、豚トロ、カニまで驚きのクオリティ…SNSでも大反響の“美味しそうなガンプラ”

タレントモデラーが作る“スイーツ”モビルスーツ

 タレントの水野明佳さん(@sayaminichip)は、ガンダム好きかつ、グラフィックデザイナーでもあるマネージャーの影響もあり、ガンプラにドハマり。自身のアイデアをマネージャーがデザインし、それらを形にした結果、今では家電量販店や全国の玩具、模型店で作品が展示されたり、模型誌で連載を持つなど活躍している。そんな彼女の代名詞は、“食べ物”をモチーフにした“美味しそうなガンプラ”の数々。その始まりも直感からだった。

「プラモデル制作にある程度慣れてきたある日、ケーキを見たときに『ケーキのロボット』があったら面白いと思いつき、原案を描いてマネージャーに渡し、デザインを頼んだのがきっかけです。直感的な思いつきの要素が強いですね」

 その後、『乳ガンダム』(ニューガンダム)など、数々の作品を生み出していくことになるわけだが、キャラクター名にダジャレを絡めたこれらが、シリーズ化していったのも偶然だった。

「たまたまプラモ屋さんで見かけたMSの名前が読めず、マネージャーに読み方を聞いたキットが『HG ヅダ』だったんです。それを聞いて、私がポロっと『柚子だ…』と呟いたら、マネージャーが隣で笑ったんです。私は『これだ!』と思いすぐさま『柚子のテイストのヅダ=『柚子ダ』のデザインを描いてと頼みました。完成した『柚子ダ』は今までの作品で一番反響が大きかったため、まずは『ロボット×スイーツ×ダジャレ』でテーマを絞った作品を制作したところ、どんどん広がっていきました」

 食べ物のシリーズ『Sweet Memory』では、アイスクリーム、エクレア、ワッフルなどをMSに落とし込み、多くの反響があった。

「このシリーズでは『クシャトリュフ』『ガンダムエクレア』『ガンダムワッフルオー』『コックさん』『マサラチャイ』といったところが人気です。周りの方々から『面白いです』『笑っちゃいました』『この作品好きです』といった言葉を頂くと大変うれしいです。また、スイーツは女性の方や子どもたちにも楽しんで頂けてるそうで、特に『コックさん』の人気が高く、『作って良かったなぁ』と実感します」
 水野さんが作る“食べ物ガンプラ”のなかでも、SNSで注目を集めたのが、『ガンダム試作3号機デンドロビウム』が、豚トロになるという衝撃作『豚トロビウム』。展示風景が拡散され、大きな話題を集めた。

「『豚トロビウム』自体はもう4年ほど前、まだプラモデルの改造をいろいろ試している時、筆塗りの練習で「肉」の表現が良いのではないかと挑戦したものです。肉の表現が難しいので、本や写真の資料を見つつ描きました。筆塗り初挑戦で、厚塗りになりがちだったのが大変でした。こだわったところは、白色をそのまま塗ったらすごく浮いちゃう感じがしたので、それを浮かないように心がけました。スイーツの案から漏れたいわゆるスピンオフのような作品で、今こんなに人気が出たのが驚きです。でも、見た方が楽しんでいられるのであれば、うれしいですね」

“茹でガニ”の質感を目指し、塗装に注力「お腹がすいてしまい大変でした」

 水野さんのように“食べ物ガンプラ”をシリーズ化する人もいれば、「食べたい」という衝動から、制作の方向性を決めたモデラーも。『MG 1/100 ポリポッドボール』を大胆にカスタムし、衝撃の“茹でガニ”ガンプラ『MG 蟹玉』を完成させた加速さん(@kamasoku23)だ。

「『第60回 静岡ホビーショー』に向けて、仲間内で『ポリポッドボール』の制作物を並べようという話になりました。どういう形にカスタムしようか考えていた際、『静岡で海産物を食べたいな』と思い、その願望をそのままカニにしようという発想に至りました。制作期間の2カ月間、『カニ食べたいなぁ』と思って制作していました(笑)」

 見事にカニの肉厚な“脚”のうまそうな雰囲気を醸し出した作品だが、カスタムに関してはほぼいじらず、元のキットを生かしたと言う。

「カニのイメージを『ポリポッドボール』に加えていく、というのがコンセプトでしたので、具体的にはないのですが、強いて言えばズワイガニですね。脚に関しては元のキットが優秀なため、ほとんど変更していませんが、一部装甲を足先に移動させています。ツメに『HGUC 1/144ガンダムTR-6 [ウーンドウォート]』の武器を使用しました。いい脚ですよね」
 形状はそのままでも、最もこだわったのは色味。リアリティを追求するために、制作前から探求を重ね、「茹でガニ」を目指した。

「制作前に、カニの色味をいろいろ調べてみました。実際、茹でる前のカニに近いカラーも想定しましたが、実際のカニは黒系の配色のため展示会では目立ちません。そして検索した際、大半の画像が茹でガニの鮮やかな様子で、『この色にしたい』と強く思い、『茹でガニにしよう』となりました。
 色味に関しては、自然の生き物らしくするために色と色の境界線をできる限りぼかすグラデーション塗装を行いました。また“茹でカニ”らしい赤い装甲はカニらしさを出すため、表面をあえてボコボコさせる加工を行いました。最後のトップコートで、水生の生き物らしく半光沢の塗装をおこなっています。逆に足は白が強く反射してしまうためマットな質感にしています」

 塗装に関しては、「装甲1パーツ、1パーツすべてにグラデーションをかけているのでとても大変でした。同時に色味を調べるごとにお腹がすいてしまい大変でした(笑)」と、手間だけでなく、肉体面(?)でもつらい思いをしたと笑う加速さん。その苦労の甲斐もあって、SNSでも賞賛の声が続出した。

「これまでの制作物で一番反響があり、驚きました。正直な所、自己満足で制作しているので反響などはあまり気にしないようにしているのですが、やはり自身が制作したものを褒められたりするのはうれしいですね。特に『おいしそう』というコメントはうれしかったです。実際、私もそう思います。味は今のところ(取材時は展示前)わかりませんが、展示が終わったら食べてみようと思います(笑)」

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