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「スーパー猫の日」に旅立った猫、愛護活動支え“供血”で仲間を救う…ヒーロー猫・金太郎に伝えたい「ありがとう」

  • 金太郎(写真:ねこけんブログより)

    金太郎(写真:ねこけんブログより)

 猫の殺処分ゼロを目指し、日々活動を行うNPO法人『ねこけん』。代表理事である溝上奈緒子氏が、この大変な愛護活動を続けることができた裏側には、ある一匹の猫の存在があったという。その猫の名は、金太郎。長年、寄り添い、支え、ともに他の猫たちの命をも救ってきたという金太郎。単なる愛猫ではなく、相棒でありヒーローともいえる猫、金太郎との絆の物語を紐解く。

「一番のサポーターであり理解者」、愛護活動を支えた猫

  • ビッグな男の子に成長した金太郎(写真:ねこけんブログより)

    ビッグな男の子に成長した金太郎(写真:ねこけんブログより)

 金太郎との出会いは、溝上代表が留学していた中国でのことだった。まだ保護のなんたるかも知らなかった代表は、外で生まれた4匹の猫たちを懸命に救おうとするが、なんとか生き残ったのは残念ながら1匹だけだったそうだ。

 「当時は中国の大学に留学していたのですが、外の庭で猫たちが生まれていることに気付き、驚いて。まったく知識はなかったものの、なんとか子猫たちを救えないかと日本から猫用ミルクを取り寄せたりしました。無事に生き残ることができたのは金太郎だけだったのですが、私も何も知らなくて、食べたいだけゴハンをあげちゃって。糖尿病になってしまったこともあったんです」。

 その後、代表とともに帰国した金太郎は溝上家の愛猫となり、保護当初の小さかった姿からは想像もつかないくらいビッグな男の子に成長。日本で本格的に愛護活動を始めた代表の様子をつねに見守り、支えることとなった。

 「ボランティア活動のきっかけになったのが、金太郎なのです。ほかの保護猫がどんどん増えていっても、嫌がることなく受け入れてくれる。私が活動で壁にぶつかり、落ち込んでいるときにも心配してくれるような、とてもいい子でした」

 涙するときにはそっと寄り添い、喜びは分かち合った。金太郎は、代表の一番のサポーターであり、理解者だったのだ。

“供血”で猫を救った金太郎、映画で松平健と共演も…

  • 供血する金太郎(写真:ねこけんブログより)

    供血する金太郎(写真:ねこけんブログより)

 そんな金太郎が支えてきたのは、溝上代表だけではない。“供血”といって、輸血の必要な他の猫たちに自らの血液を提供することも多かった。動物医療では献血システムが確立していないため、金太郎のような供血できる猫の存在はとても貴重だ。

 「貧血のある猫ちゃんに、金太郎が血液を分けてあげるんです。供血は5キロの猫で、20〜30ccの血液を採取することができます。金太郎は太っていたから血を採ることができ、病院からお願いされたりもしながら、たくさんの猫を救ってきました」

 さらに金太郎は、映画『浅草・筑波の喜久次郎 浅草六区を救った筑波人』にも出演するなど、予想外の大活躍を見せる。こちらは、松平健が主演した2016年の作品。外で撮影しても逃げない、どっしり構えた金太郎は大物俳優と共演しても怖気づくことなく、“ネコデミー賞”ものの演技を見せてくれたそうだ。

病院開業を見届けて…、虹の橋を渡った金太郎への感謝

 内に外に、立派な『ねこけん』メンバーだった金太郎。体調を崩したときもあったが、多忙な代表の代わりに友人が預かって治療をすると、ぐんぐん回復。より大きな体になり、そのおかげで代表も安心して愛護活動に飛び回ることができたという。

 そんな金太郎が突然倒れたのは、今年の2月のことだった。病院に駆け込んだが、金太郎が再び回復することはなかった。奇しくも2022年2月22日、“スーパー猫の日”として猫好きたちが幸せに盛り上がる、そんな日のこと。そして、代表が世の猫たちのために心血を注いで作り上げた動物病院『えんアニマルクリニック』開業のその日でもあった。

 「開業まで必死に頑張ってきたので、金太郎はそれを見届けてくれたのかもしれません」

 代表を、『ねこけん』を見守り、寄り添い、支え続けた金太郎は、こうして静かに旅立った。金太郎と出会わなければ、愛護活動に進むことはなかったかもしれない。困難な活動のうちに、道を諦めることもあったかもしれない。ずっとそばに金太郎がいてくれたから、多くの猫たちを救うことができたと、代表は感謝を語る。

 金太郎との別れについて、ブログには「いつか安心して再会できるその日まで待っていてね」と綴られている。これまで一緒に多くの猫を救ってきた金太郎が安心できるように、これからも『ねこけん』の活動は続いていく。


■NPO法人『ねこけん』

■『ねこけん』オフィシャルブログ

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