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新『スーパー戦隊』P語る、時代とともに変化する“正しさ”との向き合い方「“子ども向けだからわかりやすく”は制作陣の思い上がり」

子どもを決して侮ってはいけない…鬼滅や呪術廻戦のヒット受け「居住まいを正されました」

 その一方で、スタートから47年、昭和、平成、令和と積み重ねてきた長寿シリーズであるだけに、スーパー戦隊には、敵と対峙した際の名乗りや決めポーズをはじめ、いくつもの“伝統芸”といえるスタイルが築かれている。それらを踏襲しながらも、時代性のある新作を作るのは矛盾もはらんでくるはず。

「伝統芸と革新性の塩梅については、ものすごくいろいろなことを考えています。ただ、スーパー戦隊シリーズは、1作目の『秘密戦隊ゴレンジャー』から、良い部分は取り入れ、うまくいかなかった部分は改善しながら、試行錯誤の結果、今の形ができあがっています。継ぎはぎでやってきた分、成功の方程式と言われる中にも矛盾点があるのは事実です。今回は、これまでの45作を踏まえつつも、こうだと決めつけることなく柔軟な感覚で制作にあたっています」

 その一つが、メインの視聴者層となる子どもたちに対する考え方だ。近年、映画『シン・仮面ライダー』や、ホラー×ハードアクションで、未成年の視聴に保護者の配慮を促す注釈が入った『仮面ライダーアマゾンズ』など、仮面ライダーシリーズでは、大人に向けた特撮作品が多く生まれているが、スーパー戦隊シリーズのターゲットは、スタート時から変わらず、あくまでも子ども。だが、本作では、テーマとして重きを置いている人間関係の描写にあたり、子どもたちに向けてわかりやすくするのではなく、「複雑に、ものすごく濃く描いている」と言う。

「スーパー戦隊シリーズは卒業しやすいと言われていて、4〜5歳の子たちから『こんな幼稚なものはもう見ない』と言われてしまうことが増えています。そして、その子たちは、『仮面ライダー』や『鬼滅の刃』、『呪術廻戦』など、我々大人からしたら、小さい子が観て面白いのかなと思うような、複雑だったり、難しかったり、残酷だったりする作品を楽しんでいることもある。低年齢層をターゲットにしているから、わかりやすくしなければとか、手心を加えようというのは我々制作陣の思い上がりなんですよね。近年の『鬼滅の刃』のヒットの現象を見ても、子どもをあなどってはいけないということを改めて強く感じたし、居住まいを正されました」
  • 同作を担当する白倉伸一郎プロデューサー

    同作を担当する白倉伸一郎プロデューサー

 ちなみに、「桃太郎」の敵は鬼であり、武器も刀とあって、本作のアイデアは『鬼滅の刃』が元なのでは?という声もスタート前、SNSにあがっていた。スーパー戦隊シリーズでは、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)で、プロデューサーが『ONE PIECE』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』など、その時旬だったヒーロー像の“海賊”をモチーフしたと明かしたように、エンタメの流行を取り入れることが多いだけに、それもうなずける話だが、白倉氏は「(企画を立ち上げたときは)全然意識していなかった」とキッパリ。

「たまたまかぶっただけなので、正直、そう言われるのはひじょうに癪なんですよね。こすってあやかれるものだったら、ぜひあやかりたいくらいですけど、こすったからって鬼滅ファンが振り向いてくれるわけではないし、むしろ怒られるんじゃないかと思ってます(笑)」

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