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「もらったものを受け継ぐことができたら…」平原綾香、父の死を通して見えたシンガーとしての新たな境地

 シンガー・平原綾香が2月4日より劇場上映される『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』のエンディング主題歌「愛は今も光」を歌う。未来への祈りにも似たこの曲をレコーディングしていた頃に、深い悲しみのさなかにいたという彼女。2003年に「Jupiter」でデビュー以来、傷ついた人々を歌で癒してきた彼女に、自身の悲しみを越えた先にたどり着いた歌うことへの想いを聞いた。

家族に見守られながらリモートでのレコーディング「たくさんの人たちが寄り添って歌わせてくれるような感覚だった」

──『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(2014年公開)に続いて、2度目のヤマト楽曲を歌ってみていかがでしたか?

平原綾香とても不思議なレコーディングでしたね。自分1人で歌っているのではなく、たくさんの人たちが寄り添って歌わせてくれているような感覚があって。やはり父(サックス奏者・平原まこと/2021年11月26日死去)からの「女神が優しく語りかけるような歌になったらいいね」というアドバイスが大きかったですね。今聞いても、普段の自分の声にはないふくよかな響きを感じます。

──レコーディングはお父さまの闘病のさなかに行われたのでしょうか?

平原綾香はい。作曲が父とデュオを組んでいた宮川彬良さんということもあり、本当は父にもスタジオに来てもらいたかったのですが、体調はもちろん感染対策もあって叶わず。ただこの状況で良かったのは、リモートの環境を導入できたこと。父や母、親しいスタッフ、みんなに見守られながら思い出深いレコーディングになりました。
──平原まことさんはTVアニメ版『宇宙戦艦ヤマト』主題歌の作曲で知られる宮川泰さんとバンドを組んでいたことも。平原家、宮川家の音楽のDNAが「ヤマト」を通して未来へと受け継がれていく、そんな感慨を覚えます。

平原綾香この曲には私もどこか使命感のようなものを感じていましたね。世界中の誰もが大変な今だからこそ、2205年の未来を生きるヤマトの人たちが「きっといい未来が待っている」と伝えてくれている、そんなメッセージをしっかりと歌に残したいという気持ちで歌っています。

「世界中が混沌としている今、私は何を歌えばいいのか」デビュー曲「Jupiter」との衝撃的な出会い

  • (C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2205 製作委員会

    (C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2205 製作委員会

──平原さんの歌は多くの人に安らぎや癒しを与えてきました。シンガーとしてのご自身の役割をどう受け止めていますか?

平原綾香私が「Jupiter」でデビューしたのは19歳のときなんですが、当時レコード会社から可愛らしいラブソングを歌うのはどうかとの提案もあったようです。でも私はそのことにどうしても抵抗感があって。というのも、その少し前に姉(シンガーソングライター、サックスプレイヤー・AIKA)が留学していたバークリー音楽大学を訪れ、帰りにニューヨークの世界貿易センターにも立ち寄っていたからなんです。

──9.11のテロがあった現場ですね。

平原綾香世界中が混沌としている今、私は何を歌えばいいのか。そんなふうに思い詰めていたときに、大学の一限目の授業で聴いたホルストの「木星」に涙が止まらなくなりました。ずっと探していた人に巡り合えたような気持ちになって。それですぐさま当時のスタッフに「この曲に歌詞をつけて歌いたい」と申し出ました。

──現在も聴き継がれる名曲が誕生したのは、平原さんが「歌うことの意味」を貫いたからなんですね。

平原綾香昔から自分の真面目すぎる性格が厄介だなと思うことはよくあります。だけどあのとき真面目に一限目の授業に出ていたからこそ「Jupiter」にも出会えたんです。なので、もしも「もっと適当に生きられたらラクなのにな」と苦しんでいる方がいたら、「真面目に生きていたらいいこともあるよ」と伝えたいですね。

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