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5度の手術経て乳がんとの闘い乗り越えた生稲晃子、新たな病は「気が狂うほど」の“むずむず脚”…「つらい思いをしている人がたくさんいる」
働く患者への理解はまだ発展途上、「病気だからといって、できることまで奪わないでほしい」
「実際、がんになったことで会社に居づらくなり、辞める人も多いと聞きます。でも、会社(仕事)でも家でも同じですが、人は必要としてもらえることが一番の力になる。病気だからといって、できることまで奪わないでほしい。それを周りの方たちにもわかっていただけたらと思います」
生稲さんは自らの経験を生かし、内閣府『働き方改革実現会議/働き方改革フォローアップ会合』民間議員、厚生労働省『がん対策推進企業アクションアドバイザリーボード』など、企業向けにがんへの理解を進める啓発活動に精力的に参加している。
「まずは、がんの正しい知識を知ってほしい。活動を続けていく中で、だいぶみなさんの意識が変わってきたとは思いますが、会社と患者の関係はまだまだだなと感じています」。
こうした社会的な活動を行いながら、「自分の経験が生かせるなら、がんになったことも意味がある」と語る生稲さん。「今はレストレスレッグス症候群になってしまいましたが、せっかく生かしてもらった命だから、無駄にしちゃいけない」と、あくまで前向きだ。
長年のファンの応援に感謝、「また体を張るような仕事もしたい」
@akiko__ikuina ? Uminoliving - Suzukisuzuki
「『身体は大丈夫?』と話しかけてくださり、コロナの影響でお店が大変だったときも、ファンのみなさんが助けてくださって。すごくありがたかったですし、嬉しかったですね」
現在も他の活動の傍ら、店でも忙しく働く生稲さんは、芸能人であることを気取ることなく、フレンドリーな笑顔が印象的だ。
「もともとおニャン子自体が、それまでの“雲の上のアイドル”像から、ファンと同じ目線に降りてきた新しい存在だったと思うのです。元の性格もありますけど、私自身もそう。隣にいるような存在を目指していたんですが、ソロになってからは『普通すぎて、これじゃダメだ』と言われることもありました。でも30代になったら、今度は『変化の大きい芸能界で、ずっと変わらないでいるのはすごい』と言われて(笑)。おニャン子時代から今も気持ちは変わらないというか、変えられない不器用な人間です。でも、これまで芸能活動をさせていただけて、何より生きていて本当によかったと思いましたね」
生稲さんのまっすぐな人間性は変わることはないが、自身の病の経験を生かし、伝えていきたいことは増えた。
「コロナ禍もあり、つらいことはたくさんあると思います。簡単に気持ちを入れ替えることはできないかもしれないですが、少しでも口元を緩ませる瞬間を作って、前を向く人生を皆さんと一緒に送っていけたらいいなと思います」
現在53歳。芸能人としても、まだまだ意気軒高だ。
「子育てで長い間休んでいた女優業も、少しずつやっていきたいですね。レストレスレッグス症候群の症状も今は薬のおかげで収まっているので、また体を張るような仕事もしたい。昔は800メートルを見下ろすような断崖絶壁を歩く仕事もしていましたから、そんなハードなことにもまた挑戦してみたいです(笑)」
(文:星野彩乃)
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