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『映画すみっコぐらし』第2弾 作者インタビュー「共感してもらえるキャラクターは強い」

「すみっコぐらし」作者のよこみぞゆりさん (C)ORICON NewS inc.

 「すみっこにいると、なぜか落ち着く。」そんなちょっぴりネガティブだけど個性的なキャラクター、すみっコぐらし。2012年に、たれぱんだ、リラックマなどで知られる「サンエックス」から発売され、来年2022年に10周年を迎える。2019年には初映像化となる劇場アニメが大きな反響を呼び、その第2弾となる『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』が、10周年記念作品として11月5日より劇場公開。作者のよこみぞゆりさんはじめ、原作のサンエックス デザイナーチームに話を聞いた。
――劇場アニメ第1弾『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は動員120万人を超える大ヒット。子ども向けの作品という認識でしたが、SNSやレビューサイトでは大人からの高評価が相次いで、多くの人の心に刺さるものがあったようですね。

よこみぞ公開初日から特にSNSでの評価が高くて、「なぜだ!?」というのが正直な気持ちでした。日頃からすみっコたちに親しんでくださっている方たちに、すみっコの世界にひたっていただいて、ほっこりしてもらえたらいいな、と思っていたんですが、「号泣した」とかという感想も多かったですし、「#逆詐欺映画」という言葉も広まって、すみっコチームのメンバーで驚いていました。深読みしてくださっている方もいて、こんな捉え方もできるんだ、と私たちが気付かされることも多々ありました。SNSがきっかけで観てみよう言う気持ちになった方も多いと思いますし、いろいろな方に広めていただいて、本当にありがたかったです。

――劇場アニメ化してよかったと思うことは?

よこみぞ劇場アニメ化しなければできないことってありますよね、動くすみっコたちが見られる、音楽、背景画、そして物語。グッズのストーリーはサンエックスのデザイナーチームで考えていますが、劇場アニメ第1弾では角田貴志さん、第2弾では吉田玲子さんに脚本をお願いして、すみっコの世界がすごく広がったなぁと感じました。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』(C)2021 日本すみっコぐらし協会映画部

――劇場アニメ第2弾を製作するにあたって、1作目の予想外のヒットが及ぼした影響は?

よこみぞコンセプトは変わっていなくて、2作目の『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』が1作目として公開されていたとしても問題ない、と思えるくらい同じようにつくりました。一貫しているのは、すみっコたちに声をつけたくない、というところ。1作目はそれでうまくいくのか心配だったんですけど、1作目が多くの方に受け入れていただけたことで、2作目はその心配をしなくてもよかった、それくらいの違いですね。

――すみっコたちを励ましたり、突っ込んだり、時には気持ちを代弁しながら、物語をやさしく見守るような井ノ原快彦さんと本上まなみさんのナレーションだけ、というのも結果大正解となりました。第2弾でもお二人が引き続き担当されます。

「すみっコの映画が家族の思い出になってくれるなんて、素敵」

――すみっコぐらしのキャラクターは、よこみぞさんが学生時代に書いた落書きを原案として生まれたキャラクターと伺いましたが、そもそも「すみっこにいたいような気持ち」に寄り添えるキャラクターにしたいと思ったのはどういった理由からですか?

よこみぞ私自身がすみっこにいたい性格というのが一番の理由です。キャラクターはかわいいだけでなく、個性があって、それに共感してもらえると、よりキャラクターの魅力を強くしてくれる。すみっこにいると落ち着くとか、ちょっとネガティブな気持ちになってしまうことがあるとか、私自身のことでもあり、私だけが感じていることでもない、意外とたくさんいるかもしれない、いや誰だってネガティブな部分はあるだろう、そういった考えの中から、「すみっこにいたいような気持ち」を個性として持つキャラクターが生まれました。
――第2弾『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』に登場する新キャラクター、伝説の魔法使いのきょうだいについて思うことは?

よこみぞ今回のお話はとかげが活躍するんですね。とかげとからみが多いのがふぁいぶなんですが、横に並べた時にかわいい色合いであること、5人きょうだいを並べた時にかわいいかどうか、チームでいろいろ考えました。個性的なキャラクターになったと思います。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』(C)2021 日本すみっコぐらし協会映画部

――『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の見どころをお願いします。

よこみぞ物語としては、1作目はすみっコたちが絵本の世界という非日常に行って帰ってくるお話だったんですが、今回は、非日常の存在である魔法使いのきょうだいがすみっコたちの日常にやってくる。その分、すみっコたちの日常ってこんな感じなんだ、と垣間見ることができるところが2作目の見どころです。
――映画体験は時に一生をともにしてくれるような、料金以上のプライスレスなものにもなり得ます。その点を踏まえて、これから映画館で『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』を見ようと思っている人に伝えたいことがありましたらお願いします。

よこみぞ映画館で見た映画って特別なものになると思っています。私も子どもの頃に見た映画のことをよく覚えていて、大人になってから見返すと、新しい感想を抱いたり、発見したりする。なので、すみっコの映画を見たお子さん方が何年か経って、見返してもらえるような映画になってくれたらうれしい。1作目の時に、お子さんと一緒に見たという感想もたくさん目にしました。すみっコの映画が家族の思い出になってくれるなんて、素敵なこと。まさにそれはプライスレスなことだと思います。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』(C)2021 日本すみっコぐらし協会映画部

とある秋の日、キャンプに出かけて行ったすみっコたち。
楽しい時間はあっというまに過ぎ、夜もふけてきた頃、ぺんぎん?は、ある伝説を思い出す。
「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが町にやってくる」
すみっコたちが見上げた先には、青い大満月が浮かんでいた!
その夜、いつもの町にふしぎな魔法がかけられて…?
ナレーション:井ノ原快彦、本上まなみ
原作:サンエックス
監督:大森貴弘
脚本:吉田玲子
美術監督:日野香諸里
アニメーション制作:ファンワークス
配給:アスミック・エース
公式サイト⇒(外部サイト)
(C)2021 日本すみっコぐらし協会映画部

主題歌はBUMP OF CHICKEN「Small world」(TOY'S FACTORY)

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