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離婚後の“その先”を描くのが新たなトレンドに? 連ドラで描かれる新たな“離婚観”

不倫一択ではなくなる離婚理由、世相を反映するドラマの中の離婚理由

 80〜90年代と、別の愛する人と結婚するための手段としてドラマチックに描かれてきた離婚。それに比べて今クールドラマでの離婚の描かれ方をみると、『大豆田とわ子』の場合、はっきりと描かれていない部分も多いが「女性関係」(1人目の夫)、「姑問題」(2人目の夫)、「自尊心の欠如」(3人目の夫)と様々である。また『リコカツ』では、「生活環境や価値観の相違(いろいろと相性が合わない)」により即日、離婚を決意するなど、両作品において“愛憎の渦巻くドロ沼離婚”といった状態にはほど遠く、次の結婚ありきの離婚、といったものとしても離婚は描かれていない。

 こうした変化には、現代社会の実際の離婚理由の変化も影響しているかもしれない。データによると80年代から一貫して、離婚理由の1位は「性格の不一致」である。一方、「異性関係」となると、80、90年代では女性約30%弱、男性20%弱だったのが、2019年には女性15.4%、男性13.4%と明らかに下がっている(参照:「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975‐2019)」司法統計/最高裁判所)。

 さらに見てみると、『金曜日の妻たちへ』が放送された1983年、離婚理由の上位3つは「性格が合わない(42.5%)」「暴力をふるう(36.4%)」「異性関係(30.8%)」であった。それに比べて、2019年のデータによると妻側は「性格が合わない(39.2%)」「生活費を渡さない(29.4%)」「精神的虐待(25.2%)」。夫側は「性格が合わない(60.3%)」「精神的虐待(20.2%)」「その他(20.2%)」と、やはり夫婦ともに「異性関係」が離婚理由としてウェイトを下げていることがわかる。

 離婚する理由として異性関係が要素として強く入れすぎるよりも、時にどちらかが一方的に悪いとは言い切れない多様な要因を描くことで、『大豆田とわ子』と『リコカツ』の両作品とも、より多くの視聴者から共感を得ているといえる。

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