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(更新: ORICON NEWS

緊急事態宣言下でもコスプレの火は絶やせない…大型イベント再開の英断

 東京・池袋のサンシャインシティにて、定期的に行われているコスプレイベント『acosta!(アコスタ)』。集客数の多いイベントの制限が緩和された2020年7月以降、安全面に気を付けながら行われていた同イベントだが、感染者の増加とともに自粛。このまままた、コスプレが楽しめなくなるのか…と、多くのコスプレファンが落胆していた矢先、2月27、28日および、3月13日、14日の4日間、緊急事態宣言発令中でありながらも開催に踏み切り、好評を博す結果となった。大きなイベントは中止・延期もやむなし…という状況の中、『acosta!』が実行を決めた理由とは? そして、実際にイベントを行ったことで感じた手応えについて、話を聞いた。

コスプレ文化を継続させたい運営の想い「開催は覚悟の要る決断だった」

 政府によるイベント規制には、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立を図る方針が打ち出されている。東京都の指針では、上限人数5000人、収容率50%以下の規模のイベント開催は許可されており、コロナ禍での『acosta!』は通常5000人のところを、4分の1以下までに制限して開催していた。

 今年に入り緊急事態宣言が発令され、イベントの開催が難しくなったが、検討を重ね、宣言発令中の2月27日の開催に踏み切った。

 「開催には覚悟が要りました。ただ、TwitterやHPにも記載しましたが、中止にしてもコスプレイベントへの補助金は出ないことがまずひとつ。そして、開催に関わるスタッフや事業者様の雇用を継続させたい、ずっと『acosta!』にご協力いただいている池袋の店舗に微力ながらも力添えしたい…という思いもありました。さらに、開催を望む参加者様の声も後押しとなり、開催を決断いたしました。」(『acosta!』運営スタッフ)

 事前に発表されたコメントにもある通り、各所には徹底した感染予防対策が施されていた。参加人数はコスプレイヤー、カメラマンを併せて800人と、常時の4分の1まで抑えていることをはじめ、入場時の体温測定、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、定期的な手洗い・消毒などがなされ、スタッフもこまめに周回し、参加者たちに注意を呼び掛けている姿が見られた。

 「政府や東京都のイベント開催の指針(人数制限・感染症対策の徹底)を守りながら開催を継続することで、イベントに参加したいという方の声に応えていきたいです。まだまだ不安な部分もありますが、コスプレ文化を絶やさないためにも、状況を見て柔軟に対応する努力を続けていきます」(『acosta!』運営スタッフ)

「不参加でもチケット購入」イベントを応援したいというファンの声も

 一方、同イベントに参加したコスプレイヤーたちからは、「スタッフさんの巡回や消毒、人数制限など、感染予防対策を徹底しているので安心できました」という、安全面での安心を得られたという意見や、「念のため、今回は撮影中もマスクはつけたままにしています。キャラクターのイメージを崩しかねないので、本当は良くないと思うんですけど、“コロナ期間中のコスプレの楽しみ方”として、カメラマンさんにも受け入れてもらっています」といった、自分自身でもできる限りの安全対策をしたうえで参加しているという声があった。

 また、なかには「中止・延期が続いて、イベントそのものがなくなってなくなってしまうのは寂しいので。『acosta!』を応援する気持ちで参加しました」や、「レイヤー友だちのなかには、参加するのはまだ怖いけどイベントは応援したいという子もいて。費用面で少しでも支えになれば……ということで、チケットだけ購入していた友だちもけっこういます」という、イベント自体を応援したくて参加しているという声も。

 さらに「『コミックマーケット』や『AnimeJapan』、『ニコニコ超会議』などがオンラインのみの開催となり、リアルイベントがなかなか実施できないなか、関東在住のコスプレイヤーにとって『acosta!』は最後の砦のような存在です」という意見もあった。

 「開催にあたり、池袋の店舗の皆様にもさまざまなご協力をいただき、改めて池袋という街のために力添えをしたいという思いが強くなりました。それと、他のイベントを主催されている方たちに対しても、今回、当イベントが一歩踏み出したことで、中止以外の選択肢もあるんだ…ということを知っていただいて。新たな展開を模索されるきっかけになれば幸いです」(『acosta!』運営スタッフ)。
運営、参加者双方の感染対策の徹底により、無事に幕を閉じた同イベント。ここから再び、コスプレ文化が盛り上がっていくことを期待したい。


取材・文/ソムタム田井

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