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THE ORAL CIGARETTES 山中拓也が紡ぐ“歌詞”の舞台裏 凛として時雨TK、尾崎世界観の凄み、セラピーとしての作詞を語る
ヤマタクがリスペクトする歌詞と、自分を奮い立たせる曲 TK、尾崎世界観/SIBITT
山中拓也正直に言うと、歌詞で影響を受けた人はあまりいないんです。でも「すごいな」と思える人はいます。
まずは、凛として時雨のTKさん。例えば、“リアルな真っ赤”から“幻想のカラフル”みたいなものを描くメリハリは、TKさんにしか作れない世界観だと思っていて。その冷たさと幻想的な温かさのギャップは自分の世界観にも入っている要素なので、そういう面では共通していたり、影響されている部分があるのかもしれません。TKさんの曲は、言葉数は多くないんですけど、“夕景”や“鮮やか”、“赤”というよく使う言葉があって、それがいろんな曲に散りばめられていても全然違和感がないんですよ。
山中拓也尾崎さんにはどんどんやってほしいなと思いますけど、僕はどうなんすかね(笑)。自分の中に物語を作って歌詞に落とし込むっていう作業も多かったので……、まあ、気が向けばやろうかな(笑)!
山中拓也僕、自分を奮い立たせるために曲を使うことがなくて、逆に(気持ちを)落とすために使うんですよね。「こんな世界クソだ」とか「どうでもいいわ」って思うくらい落ちたとき、その音楽に溶け込むっていう表現が一番近いと思うんですけど、敢えて最悪な状態まで(自分を)落としちゃう。そうすると、もうあとは光しかないっていう状況になってくるんです。すごくしんどい作業なんですけど、下がっている気持ちをより下げるというか、その世界観に浸るのがいいのかな。今しか感じられない最悪な空気感みたいなものに浸るためにかける音楽は結構ありますね。
山中拓也何曲かありますけど、作ってよかったなと思っているのは『接触』という楽曲。人間の本質や、何が本当の美しさなのかということ、生まれ落ちた瞬間にどういう使命を持って生きていかなくちゃいけないのかとか、どの時代にも共通して人間が考えることにフォーカスして書けた気がするんです。70代80代の人も、逆に10歳の小学生が読んだときにも通じる部分があるんじゃないかなと思うし、ちっちゃいときからずっと心の底から思っていたことを書けたので、歌っているときもめっちゃ熱が入りますね。
山中拓也なんか、すごく反応がいいんですよ。『接触』はもともとカップリング曲なんですけど、人気が高いです。だからこそ、むちゃくちゃ苦しくなったとしても、頑張れるんですよね。これを乗り越えたら、今まで書けなかった素晴らしいものを作れるのかもと思えるので、追い込むことは意味があるのかなと思います。