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倉木麻衣「歌えなくなった時期あった」 “コナン”に救われ20年、今ではスケボーにも挑戦

「20年マンネリない」ネガティブでクラスに馴染めなかった自分を救ってくれた音楽

 実はテレビアニメと劇場版では楽曲作りのアプローチが違う。テレビアニメでは「こういう感じ」と制作陣からキーワードを渡される。そこから彼女の中の「コナン」を表現しつつ、キーワードを散りばめて制作する。劇場版では台本やストーリーから。倉木はそこから自分なりのキーワードを見つけ出し、物語に寄り添いながら作詞や楽曲選びを進めていく。

 だがこれで終わりではない。デモ音源は必ず「コナン側」に聴いてもらう。そこで意見を交換し、さらに作り直していく。「楽曲も一緒に制作している…そういった想いもあって“ファミリー”なんです」。こうして「Secret of my heart」(2000年)から始まり、今回の「ZEROからハジメテ」まで、実に20年もの“お付き合い”となった。

 その間、マンネリや新たな曲を更新し続けるプレッシャーなどは「ありません」と倉木。「与えられたキーワードやストーリーのイメージに向けて、どうしたら皆さんにお楽しみいただけるか、今度はどんなコナンくんを表現するか、今回は(毛利)蘭ちゃんと(工藤)新一の恋模様を描こうか、など寧ろ楽しみながら作ってきた印象です」
 例えば、2014年のオープニングテーマ「DYNAMITE」。倉木は元々R&Bで出てきたが、そこにその他の洋楽テイスト、ポップとさまざまな要素を詰め込んだ。「『コナン』の楽曲にフォーマットはないんです。おかげで私の新しい世界観が見えてきました」。劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌』の主題歌「渡月橋 〜君 想ふ〜」(2017年)では、劇場版の舞台が京都。そのイメージを捉えた結果、和テイストの楽曲が誕生した。『コナン』との20年の道のりで、倉木麻衣の楽曲はますます彩りを増し、そのシナジー(相乗効果)でアーティストしての多面的な“顔”を持ち得た。

「ただ、気持ちに寄り添ったポジティブな想いを想起させる楽曲作りは心がけています。希望や夢、皆が一歩踏み出せるような楽曲…。実は自分自身はネガティブなんです(笑)。10代の頃は自分を表現することが苦手でクラスにも馴染めなかった。自分の殻を破ることができないでいたんです。そんな私を救ってくれたのが“音楽”でした。歌うことで褒めてもらい、自信が生まれました。私は音楽に救われたんです。ですから歌詞の世界観にも夢や希望を散りばめ、『自分もそうなりたい、そこで頑張りたい』という気持ちで曲を作るんです」

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