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Uru、映画主題歌で「これ以上のタイトルが見つからなかった」北川景子も「試写で涙」
映画に“心を重ねた”主題歌 曲のタイトルを迷いなく映画のタイトルにした理由とは
Uru まず原作を読み、そのあと完成した映画を拝見して自分の中で曲のイメージの枠組みを作っていきました。映画からは“閉ざしていたものが開いていくような印象”を受けたので、歌詞もメロディもそこを大事にしながら書いていきました。歌に関しては、自分を変えてくれるような運命的な出会いをした人に向けて語りかけるような、そして心をだんだん開いていくようなイメージで歌うことを意識しました。
――主題歌を制作するにあたり、堤幸彦監督からは何かリクエストはあったのでしょうか?
Uru 堤監督からは“バラード”というリクエストがあったのと、景色が浮かぶような歌詞を、という依頼頂きましたが、私が映画を観て感じたことに委ねて頂いたように感じています。
Uru 普通に生きていても、だんだんと温度を無くしてしまうような、目がうつろになって何も感じなくなってしまうことってありますよね。そういう無機質な状態になってしまった人が“温度のある心”を取り戻すような出会いをしたというイメージからこのタイトルをつけました。でも、“無機質”な人の歌というよりは、曲の最後には“無機質だった”人の歌と捉えて頂けるかと思います。
――これまで多くのタイアップ曲を手掛けられていますが、作り方や込められる思いはオリジナル曲の時と違ってきますか?
Uru そうですね。どれだけその作品に寄り添う曲になるかに徹するので、オリジナルとは歌詞の書き方も全然違います。この作品を作った人が見る人にどういうことを一番伝えたいのか?とすごく考えますね。だから今回も、曲のタイトルも映画と同じく『ファーストラヴ』にさせて頂きましたが、これ以外のタイトルが見つからないほどに、私もこの映画に心を重ねました。オリジナル曲の場合は、作り始めと全然違う結末になったりすることも結構多いので(笑)。
3000万回再生LiSAとのコラボ動画も話題に、SNS発のデビューは「凄く良いこと」
Uru ただただ緊張しました。LiSAさんは、私の中ですごい存在なので、コラボレーションさせていただくだなんて、一大事だったんです。足を引っ張らないように、というか、自分1人で歌うときの感覚とはやっぱり全然違いますよね。2人の声でも1つのボーカルにしなきゃいけないので、ハモりは“調和する”という感覚を学びました。本番では緊張感がありながらも、一緒に歌っていて心強かったですね。
――YouTubeと言えば、最近はSNSやYouTubeがきっかけでデビューするアーティストが増えていますよね。そのような風潮をどう思いますか。
Uru 私が歌手を目指そうと思った時期は、今ほどSNSが普及していなかったのでデモテープを送ったり、オーディションも1回だけ受けたり、アナログな方法でチャンスを掴むきっかけを探していました。でも、今はどこに住んでいてもチャンスがあるので、それは凄く良いことだなと思います。
――SNSを通して、どういう人なのか想像しやすい側面もありますしね。
Uru そうですね。ただ、その分気を付けなきゃいけないこともありますよね。あまりに多くの情報が日々行き交う中で、発信する前に“誰かを傷つける文章になってないか”とか3回ぐらい読み返すようにしているんです。
途切れることなく音楽を発信し続ける原動力とは 「音楽は自分を律してくれる」
Uru 最初そう言って頂いた時には、普通なのにな、と思いました。自分じゃよくわからないですよね。歌うことは好きだったのですが、初めて録音した自分の歌声を聴いた時に、すごく違和感があって自分の声が嫌だったんです。でもYouTubeでカバー動画を配信するようになってからは、少しずつ自分の歌声に慣れていきました。
――7年前にYouTubeチャンネルを開設されてから、途切れることなく常に新しい音楽を発信し続けていますが、どのようにして曲作りされているのでしょうか。
Uru きっかけは色々あって、例えば、昨年作った「頑な」という曲は、プロボクサーの和氣慎吾さんのドキュメンタリーを見て感動して、あふれ出す感情をどこにぶつければいいんだと思って作った曲なんです。いざ曲を作ろうと思っている曲より、料理している時や移動している時の方が思いついたりするんですよね。お風呂入ってるときなんて大変です。メモができないので、シャンプーをものすごい速さで終わらせて、水もちゃんと拭かずに慌ててボイスレコーダーに吹き込んだりしています(笑)。
Uru 音楽は私にとって自分の感情を素直にしてくれるものなので、“自分を律していけるように”曲を作ったり歌ったりしている感覚ですね。最近心理学に興味があって、学んだら作る音楽にも良い影響があるんじゃないかと思っているんです。でも、色々な人の心理を知ってしまったら裏をかくような曲になっちゃうかな、とかちょっと迷ってます(笑)。心理学を音楽に取り入れるかはまだ未定ですが(笑)、歌うことは自分の気持ちを吐き出す作業でもあり、やっぱり聴いていただく方の感情に寄り添いたい、というのが一番なので、これからも皆さんの心に届く音楽を発信していきたいです。
(取材・文=奥村百恵)
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