涙腺を決壊させるUruの『中学聖日記』主題歌 ドラマから再びヒット登場
新曲が次々とランクインするなか、TOP5をキープ
同曲は『中学聖日記』第4話の放送日である10月30日に先行配信。初週4.1万DLを売り上げ、11/12付週間デジタルシングル(単曲)ランキングで3位に初登場した。ちなみにこの週は米津玄師の新曲がリリース。TOP5中の4曲を米津玄師作品が独占(強い…!)した中で、唯一TOP5入りしたのが「プロローグ」だった。翌11/19付では週間3.0万DLで5位、さらに翌々週の11/26付では週間2.5万DLで3位に返り咲き。新曲が次々とランクインするなか、TOP5をキープし続けた。
教師と生徒の“禁断の純愛”を描くドラマ『中学聖日記』に主題歌のオファーを受けたUruは、作詞・作曲にあたって「これまでにない緊張感がありました」と振り返る。
「まずは原作のマンガを読ませていただいて、なんて綺麗な絵を描く方なんだろうと感動しました。ただやはり世間的には許されない恋愛の物語であって、それを歌詞に描く上でどうすれば聴く方が共感してくださるか──。そんなふうに少し悩んだところもあったのですが、ドラマ制作サイドの皆さんがから脚本をいただいた上でおっしゃったのは、このドラマが描きたいのは決してセンセーショナルな恋愛ではなく、純粋に相手を思う気持ちなんだと。その言葉に背中を押されて、楽曲制作に入ることができました。好きになってはいけない相手だから、自分の思いにブレーキをかけなければと葛藤もする。それでも溢れ出てしまう思いを、歌詞とメロディで表現できればと」(Uru)
ドラマの展開と主題歌の相乗効果で、涙腺を決壊させる視聴者が続出
『中学聖日記』の新井順子プロデューサーは、米津玄師「Lemon」の大ヒットを生んだドラマ『アンナチュラル』も担当しており、ドラマ演出の上で主題歌を丁寧に扱うプロデューサーとしても知られる。本作でも、「中学聖日記で流れてくるタイミングが神」「主題歌が流れるシーンだけでも毎回リピートしたいレベル」「Uruさんの主題歌の入り方絶妙すぎて何回泣く」「いつもこの曲がかかるとキュンって胸が痛くなる」などの声がSNSに多く上がっており、ドラマの展開と主題歌の相乗効果で涙腺を決壊させる視聴者が続出している。
ドラマの演出が主題歌の魅力を最大限に引き出しているのはもちろんだが、その演出を実現させているのはやはりUruの歌唱と楽曲の構成だ。「物語の男女の危うい不安定な感じとUruさんの刹那な歌声がマッチしている」「透き通っている声、メロディー、歌詞も好き。ほんとに切なくなる。サビが特に」と、SNSでもドラマとともに楽曲について言及する声が多い。Uruの歌については、持ち前の透明感のある声質から「癒し」「安らぎ」「優しく包み込まれる」といったワードでファンを魅了することが多かった。しかし「プロローグ」ではさらに加えて、儚さや切なさとともに力強さやスケール感も表現されている。
楽曲全編を通して世界観を描き、視聴者の心を掴んだ本作
「ちょっと技術的な話になってしまうかもしれないんですが……、Aメロやサビ前まではあまり口を大きく開けない歌詞と温度感をなくした歌い方で、誰にも聞かれたくない心の内を表現しました。そしてようやく行き場のない気持ちを吐き出した瞬間を、サビに込めています。サビの歌い出しも『あなたを探している』と口が大きく開くア行で始まることで、エモーションが高まっていくイメージですね」(Uru)
冒頭で挙げたようにドラマ主題歌のヒットが相次いでいるのは、単なるタイアップではなく、ドラマ制作者とアーティストが思いを共有することで、ドラマの世界観としっかり寄り添った楽曲制作がされるケースが増えているからだと考えられる。「プロローグ」もまた、有村架純が演じる主人公・末永聖の心情を、楽曲全編を見事に通して描き切ったことが視聴者の心をつかんだ。
「聖さんと同じ状況ではなくても、人を好きになって、だけど自分に自信が持てなくて伝えられなかったりした経験がある方は少なくないと思うんです。だからドラマに共感する方も多いのかなと。『プロローグ』もそんな方たちにとって、心の中でだけでも自分の素直な気持ちに寄り添えるような、そんなきっかけの1曲になればうれしいですね」(Uru)
12月5日には、ドラマ「コウノドリ 第2シリーズ」の主題歌「奇蹟」のセルフカバーや、中島美嘉の冬の名曲「雪の華」のカバーなどが収録されたシングルCDがリリースされる。すでに自身最大の配信ヒットを記録する「プロローグ」のリリースを経て来年3月10日には過去最大規模のワンマンライブ『Uru Live「 T.T.T 」 supported by uP!!!』も決定しており、ドラマ主題歌のヒットという枠を超えてUruへの関心が集まっている。
(文/児玉澄子)