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(更新: ORICON NEWS

「メイクが好きな自分に気づけた」の声も…コスメ業界は“コロナ禍”をどう生き抜くのか

  • 注目を集めたエテュセの広告ビジュアル

    注目を集めたエテュセの広告ビジュアル

 コロナ禍の中、さまざまな企業が打撃を受けているが、コスメ業界も“タッチアップができない”、“テスターが使えない”など、強い向かい風が吹いている。特に“マスクのスタンダード化”により唇のメイクが疎かになっている女性も多い。そんな中、エテュセが発信した「同系色でまとめられたモデル写真の中に浮かぶ唇の形が、実はスカート…」という女性心をくすぐる広告が「コンセプトが視覚的に伝わる」とSNS上で注目を集めた。逆風の吹く今だからこそ行った展開、これからの展望をエテュセのPR担当、本田未来さんに聞いた。

トレンドの牽引ではなく、お客さまの気持ちに寄り添えるブランドを目指したリニューアルに共感

――秋のプロモーションのメインアイテムであるティントルージュの広告がSNSでたくさんの“いいね”を集めていましたね。

【本田さん】当初はこのような状況を全く想定していなかったので驚きました。今秋のトレンドともいえる“ニュアンスワントーン”というシーズンテーマのもと、ファッションとメイクをコーディネートして楽しんでほしいというメッセージを表現したものになります。多くのお客さまから“広告が可愛い”、“オシャレになった”という声が届き、エテュセ自体に興味を持っていただけたことを感じています。

――広告を手掛けたアートディレクターの吉田ユニさんは星野源さんやPerfumeさんのジャケットから様々なファッションビルの広告まで幅広く手掛けられていますが、吉田さんを起用した理由をお聞かせ頂けますか。

【本田さん】実は今年の3月にリブランディングして、パッケージもすべてリニューアルしました。それにあたり、事前にお客さまのお声を聞くなかで多く頂いたのが「いまの自分を変えたいけど、どうしたらいいかわからない」というご意見がありました。メイクをガラっと変えることには不安を感じてらっしゃる方が多かったので、エテュセとしては、一歩先のトレンドを牽引するのではなく、少し変わってみたいという気持ちに寄り添えるようなものを提示していこうと。それを理解して表現してくださる方が、吉田ユニさんです。

コロナ禍中のリップ訴求に不安…社内でも「目元にシフト」を議論

――エテュセは「リップエッセンス」「テカリ・毛穴 修正液」など、単品のファンが多い印象でした。

【本田さん】そうなんです。おっしゃる通り、リブランディング前は機能型の単品商品訴求をしていました。エテュセのメイン市場でもあるバラエティショップでは、そういったものが好まれる傾向が強いとされています。しかし近年では、ブランドが発信しているメッセージに共感して購入される方が増えています。エテュセも、広告やパッケージを新ビジュアルにし、ブランド全体でお客さまの力になれるものを発信していくことになりました。

――3月にリニューアルとのことですが、3月後半には自粛要請、そして4月7日に緊急事態宣言が発令されるなど予想外の状況になりましたよね。リップの広告を出すことに迷いや不安はありませんでしたか?

【本田さん】正直、不安はありました。社内でも「リップは難しいのでは?」「もっと目元を意識した展開をしたほうがよいのではないか」という意見もありました。ブランドとしての思いをしっかり伝えるため、予定通り、秋のプロモーションを展開させて頂きました。それがこのように話題になり、多くの方に共感いただけたのかなと思っています。

――いまだリモートワークの方も多いと思いますが、実際にリップを使ったお客さまからの声は届いていますか?

【本田さん】リモートワークだと、ビデオ会議などで人に顔を見せる機会があると思うのですが、家だと気合いを入れたメイクをしない方も多いと思います。でも、リップを塗ることで生まれる血色感を、久しぶりに楽しめたという声もいただきました。

――自粛期間が長かったからこそ、メイクに対して飢餓感を抱いている女性も多いような気がします。

【本田さん】そうなんですよね。みなさんマスクの生活に慣れてきて、目元のメイクにはこだわっている方も多いと思うのですが、飲み物を飲む時にマスクをはずした瞬間、素の唇にハッとするというか。毎日のメイクを煩わしいと思っていた方でも、やらなくていい状況になると「やっぱりやりたい!」と思えたり、本当はメイクが好きな自分に気づいたり。今はちょうどそういう時期なのかもしれないなと思います。

今後も“メイクを楽しんでいたら、いつの間にか素敵な自分になっていた”を応援したい

――広告にあります「ティントルージュ」は、塗布後ティッシュオフするとマスクに付きづらいという訴求もされています。企画はコロナ以前だと思いますが、偶然にも今の状況にピッタリな商品になっていますね。

【本田さん】ティントはこれまでマットなものが多かったのですが、この商品はツヤが出せることも特徴のひとつで、最初はティッシュオフをすることは想定していませんでした。でも今は「まず色を楽しんでほしい!」という思いの方が大きいので、「マスクにつきにくい」という機能性を訴求することにしました。時間が経っても自然な血色感が持続するので、安心してリップメイクを楽しんで頂けると思います。

――広告をきっかけにティントルージュを求めて実際にお店に足を運ぶ方も多かったと思いますが、テスターの使用不可やタッチアップ不可などでカラーのお試しができないといった問題もあったのではありませんか?

【本田さん】もちろんそういう声も届いています。打開策として、仕上がり写真を商品の近くに設置したり、店舗に公式Instagram へのQRコードを置いて、ストーリーズで使用方法や仕上がりがわかる動画をご覧頂くような形で対応させて頂きました。また、原宿東急プラザの地下一階(fifth×ettusaisスタイリングギャラリー)に、商品をリアルで試せるブースも用意しております。綿棒や指サックなどを完備し、直接商品に触れることなく安心してお試しできます。

――実際に商品を購入された方の反響はいかがでしたか?

【本田さん】「家だからこそ普段と違うメイクを練習した」という声も多くいただいています。エテュセの広告や商品をきっかけにメイクの楽しさを改めて感じてくださったことを知ってとても嬉しかったです。

――今後はどのような商品・ビジュアル展開を考えてらっしゃいますか?

【本田さん】シーズンテーマのもと、リップ、アイメイク、ベースメイクなどの展開を予定しております。キービジュアルや商品パッケージも引き続き吉田ユニさんにディレクションして頂くので楽しみにして頂けたらと思います。なりたい自分になるには勇気が必要なときもありますが、“メイクを楽しんでいたらいつの間にか素敵な自分になっていた”というのがエテュセの目指すところです。“ちょっとした変化を楽しみたい”という方の背中をそっと押すことのできるようなメイクの提案をしていきたいですし、こんなご時世だからこそ化粧品で世の中を元気にしていけたら…と思います。
エテュセ公式サイト
https://www.ettusais.co.jp/

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