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フィギュア本田姉妹のYouTubeが1500万再生、トレンドの逆を行く“素人編集”で原点回帰?

YouTubeもマスメディア化で“ごてごてサムネイル”に辟易? 本田姉妹が風穴となるか

今年の1月には仲良くスケートを披露していた望結と紗来(C)ORICON NewS inc.

今年の1月には仲良くスケートを披露していた望結と紗来(C)ORICON NewS inc.

 過熱する「本田姉妹やで」人気は、もちろん3人とも可愛いことが一番の理由だろうが、彼女たちの純粋無垢さを象徴するかのような飾らない編集で、YouTubeの本来の魅力である“素人感”がより引き立っているからではないだろうか。実際、当初のYouTubeはテレビではできないゲーム実況や、過激な内容の『やってみた』系などにあふれる“素人っぽさ”が醍醐味だった。見る側も、等身大で同じ視点を感じてYouTuberに感情移入していたわけだし、素人ならではの編集の粗さも新鮮だったのである。

 しかし、最近は多くのテレビタレントがYouTubeに参入し、YouTube向けの動画制作会社やプロの編集者に外注するケースが続出。サムネイルは引きのあるキャッチーな文言で埋め尽くされ、タイトルも煽り表現や“匂わせ”ワードが並べられ、アスリートYouTuberですらプロに頼んでいるであろう編集が見受けられる。

 こうした“プロ編集仕様”には、どうしても再生回数を伸ばしたいという私欲が見え隠れし、最近ではタレントがYouTubeに進出しても「テレビではできない自分のやりたいことを表現したい」というよりも、「お金儲け目当て」「広告稼ぎ」などと捉えられてしまい、広告なしの動画が称賛されることもしばしばだ。
 ちなみに、先月放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では、霜降り明星・粗品がAKB48・柏木由紀のYouTubeチャンネル「ゆきりんワールド」に対し、「『柏木由紀 セクシー生着替え』というタイトルに惹かれてクリックすると、サムネイルの彼女の写真全身にモザイクがかけられ、ますます興味をそそられて動画を開くと、単なるファッションショーだった」と苦言。柏木自身も「動画に変な間があった」との指摘に、「YouTubeって動画の尺が10分以上だと、広告がより多く間に挟めるので収益の効率がいい」と解説しつつ、この動画も「10分6秒だった」と暴露している。

 対する「本田姉妹やで」の動画は、ことごとく“私欲”を感じさせない。初投稿の『なわとび』こそ再生時間14分54秒だが、『たい焼き』4分59秒、『タマネギ』4分56秒とかなりの無頓着ぶり。シンプルなタイトル、すっきりとした自然体サムネイル、カット割りの少ないありのまま編集で、ただただ仲が良い家族の“ホームビデオ”を見ているような感覚なのである。そして、初回投稿『なわとび』のラストでは、「こんばんは!真凜です ご視聴いただきありがとうございます! 私のヘンテコな編集で見づらかったと思います、ごめんなさい でも編集中に画面に映る望結紗来の愛らしさに、私は幸せいっぱいでした 楽しんで見て頂けていたら嬉しいです」と、なんとも本田・姉らしいコメントで締めくくられている。
 過剰なタイトル、強烈なインパクトのサムネイル、カット割り+効果音+テロップ連発というゴテゴテ編集があふれ、すっかり画一化されつつあるYouTube。かつては、そうした煽り文句や大げさ編集に辟易していた“テレビ嫌い”の多くがYouTubeに流入していたはずだが、YouTubeがマスメディアになりつつある今、結局は多くのプロが素人領域に参入し、YouTubeならではの個性が失われつつあるようだ。そんな中、「本田姉妹やで」の純粋無垢な動画は“マスYouTube”の風穴となり、あらためて新鮮な風をもたらしてくれるのかもしれない。

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