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ドラマ『M』、SNSで自由にイジられヒット 「これだけバズっても目標視聴率へはあと一歩…」P語るテレビマンの苦悩

 ドラマシーンを大いに盛り上げている『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日/ABEMA)。強烈なインパクトのキャスト陣の怪演と、80年代の大映ドラマを彷彿とさせるネタ的なおもしろさでバズを巻き起こしているが、その背景には、テレビ朝日とABEMAによる初の共同制作という新しい手法もあり、巧みな宣伝プロモーションも奏功している。話題の広がりは「想像以上」と語る両プロデューサーだが、一方で視聴率に対するテレビマンとしての苦悩もうかがえる。

“直撃世代”と“若年層”、2方向へのアプローチ

 毎話放送とともにSNSをにぎわせている本作。主人公のモデルとなる浜崎あゆみの直撃世代へは、ガラケー風のスマホ限定サイトを開設するなど、90年代のカルチャーを全面に打ち出すプロモーションを展開。ノスタルジーを誘う展開が実施された。

 一方、若年層に対しては、LINEスタンプやTikTok限定動画、インスタのオリジナルGIF、Zoomバーチャル背景画像、コロナ自粛による放送休止中のネタ要素を強調したリミックス番組など、ドラマがいじられていることを強みにした多層的な宣伝を仕掛け、インパクトの強さも大きな話題になった。

 テレビ朝日の服部宣之プロデューサーは宣伝プロモーションについて、「最初は、番組サイドからネタ的なアプローチはしないことに決めていました。しっかりと作品を作って、そのなかで役者さんの真剣な演技が広がっていくという見せ方をして、『M』の世界観を素直に広めていくことに注力していたんです」と語る。

 ところが、2〜3話目くらいから、視聴者のリアクションが変わってきたという。

「水野美紀さんの演技で盛り上がり、田中みな実さんの怪演による“花火”も打ち上がりました。この2連発から話題が跳ねたので、我々はそこに少しずつ乗っかっていったんです。視聴者側がおもしろさ、楽しみ方を見つけてくれて、そこに遅ればせながら乗っていく。世の中の0.5歩あとを行くことで、バズを巻き起こしていくイメージです。脚本の鈴木おさむさんは、これもすべて狙い通りと言っていましたが(笑)」(同氏)

 ABEMAの川島彩乃アソシエイトプロデューサーも、「作品について賛否両論あるかも…と話していましたが、放送後に否はほとんどなく、炎上もほぼ見られませんでした」と、後出しで動いたことで成功に導いたプロモーション施策のポイントを語る。

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