漫画やアニメのキャラクターたちを3次元で表現する“コスプレイヤー”。さまざまな場面で活躍を目にする機会が増えているが、ここ数カ月は新型コロナウイルス感染症の拡がりが影響し、多数のコスプレイベントが開催中止に。これに伴い、今まで以上にSNSでの活動に本腰を入れるレイヤーが増えてきているという。今回は、結婚後もコスプレを続け、企業の公式コスプレイヤーとしても活躍している姫宮まほれさんに、“コスプレ業界のリアルな現状”を話してもらった。

みんなで現状を乗り越えて、これからの展開に繋げていきたい

――6月以降に開催予定だったコスプレイベントも、続々と中止が発表されていますが、まほれさんのコスプレ活動には、どのような影響が出ていますか？

【姫宮まほれ】お仕事で参加する予定だったイベントだけでなく、友だち同士で実施する撮影会などもすべて中止になってしまって。最初の頃は「来月になればきっと再開されるはず！」と思っていましたが、状況は悪くなる一方で、先行きの見えない不安な日々が続いています。

――数あるイベントのなかでも、特に『コミックマーケット98』の中止は大きかったのでは？

【姫宮まほれ】残念な気持ちもありますが、これからもずっと続いてほしいイベントですので、準備会の方たちは最適な判断をされたと思っています。『コミケ』の場合、出展者とお客さま…という関係ではなく、“参加者全員が同じ立場でイベントを楽しむ”雰囲気がいちばんの魅力なので、今は皆でこの状況を乗り越えて、これからの展開に繋げていきたいですね。

――年末の“冬コミ”は、無事に開催できるといいですね。

【姫宮まほれ】冬コミに関しては、まだどうなるかは分かりませんが、Twitterでも「カタログを買って『コミケ』を応援しよう」という呼びかけがあったりして、大勢の方の『コミケ』を守りたい…という気持ちがすごく伝わってきます。改めて、こうした文化を愛する方たちの団結力はすごいなと感じました。

――そうした現状を踏まえて、いま現在、コスプレに関してはどういった活動をされていますか？

【姫宮まほれ】自宅でコスプレ撮影をする“宅コス”を楽しんだり、その写真をファンティアにアップしたりしています。イベント出演や撮影会といった活動は、まだまだ再開できそうにないので、今はオンラインでできる活動も幅広く模索しています。デジタル写真集の制作やライブ配信なども検討しているので、とにかく前向きに、明るい気持ちでコスプレに取り組んでいきたいですね。

宅コスも楽しみつつ、夫婦で支え合いながら毎日を過ごしています

――不要不急の外出自粛が呼びかけられる昨今、自宅で楽しめる“宅コス”は、コスプレ未経験の人にも楽しんでもらえそうなコンテンツですよね。

【姫宮まほれ】はい。今までコスプレをしたことがない方にも、せっかく時間があるので、興味を持ってもらえたらうれしいなって思っています。最初から衣装やウィッグを買い集めなくてもいいですし、まずは家にあるもので、何となく似せたコスプレ…から始めてみるのもアリだと思います。そこからコスプレを好きになって、「本格的にやってみたい！」と思えるようになったら、いろいろと挑戦してみてほしいですね。

――まほれさんはご結婚されているとのことですが、宅コスを旦那さまに手伝ってもらうこともあるのでしょうか？

【姫宮まほれ】旦那さんも趣味で写真を撮っているので、撮影用の機材をたくさん持っていて。こだわった写真を撮りたいときなど、たまに借りることがあります。直接手伝ってもらうことは、あまりないですね。

――外出自粛が続くなか、ふたりで暮らしていて良かったな…と思うことはありますか？

【姫宮まほれ】何かと不安な時期なので、側にいて励ましてくれたり、いっしょに楽しい時間を過ごせることを、本当に心強く感じています。今するべきことや、注意しないといけないことなど、いろいろと調べて情報を共有してくれるので、そういう意味でもすごく助かっていますね。お互いに気をつけて、協力し合いながら毎日を過ごしています。

――それでは最後に、宅コスを検討中の皆さんに向けて、ひと言お願いします。

【姫宮まほれ】暇つぶしに軽い気持ちで始めるもよし！　そこからハマって、本格的なコスプレに挑戦するもよし！　自分のペースで自由に取り組めるのが“宅コス”の良いところなので、少しでもコスプレに興味のある方は、この機会に是非一度、チャレンジしてみてはいかがでしょう。カラコンやメイクをする際は、手洗いも忘れずになさってくださいね♪

――外出規制が解除された際に、一番にやってみたいことはありますか？

【姫宮まほれ】ずっと自炊が続いているので、オシャレをして、素敵なお店で美味しい料理を食べたいです（笑）。

取材・文＝ソムタム田井

姫宮まほれさんTwitter：@mqh0re