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「退職エントリ」で話題の元テレ東“オタク”アナ明かすゲーム愛「辞めたこと親が信じてくれました」
親がこのブログを見たことで、自分の退職話を信じることになりました
田口さん まずは、感謝の気持ちで一杯です。一介のサラリーマンがつらつらとポエムを書き殴っただけのものに、様々な反応を頂けて挙句このように記事にまでして頂けるなど恐悦至極。世界は暖かい場所だなと再認識しました。アナウンサーをやっていて良かったなぁ。
――「アナウンサー」という知名度もある方が退職についてブログを書こうと思ったのはなぜでしょうか。
田口さん 退職ブログは、フォロワーに向けて書きました。在職中、twitterで好き勝手に呟いてフォロワーの皆さんと遊んでいましたので退職するにあたり、経緯などをご報告するのが筋かなぁと思い、キーボードを叩きました。加えて、自分の考えていることを文字化して考えを整理し、発信することで新しいご縁があればいいなあ、という思いもありました。
――確かに、今までのお仕事や、職場への感謝、次にやりたい事などをお話しされていました。フォロワーの方に伝えたかったことはありますか?
田口さん オタクの人生たのしいよー!ってことですね。社会人やってると結構つらいことあったりする(僕もあった)思うんですけど好きなことを好き!って言い続けると、形になる可能性があると学びました。「てめぇ田口は特殊な例だろ!!!」って思われるかもしれないのですが、好きだということを発信していると、学校とか会社の隠の者同士で繋がれたりして人生が豊かになる可能性が極めて高いと思うので。「オタクを誇れよ!人生は楽しい」とお伝えしたいです。
――SNSでの反響はどのようなものがありましたか?
田口さん ありがたいことに、たくさんのご連絡を頂きました。応援のメッセージ、お仕事の依頼、「会って話をしてみたい!」など、本当に様々。自分から能動的に様々な人にアプローチをしていると思っていましたが、こうやって活字にすることで頂ける反応は、想像以上のものでした。あと親がこのブログを見たことで、自分の退職話を信じることになりました。親からの信頼がない。
――(笑)。公開後、社内ではどのような反響がありましたか?
田口さん 事前にご挨拶を済ませていたので、改めてということはあまり。ただ、『勇者ああああ〜ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組〜』のTwitterアカウントで拾って(イジッて)頂いて。本当、あの番組には一生ついていきたいです。
――ちなみにブログに投稿することは、事前に会社に相談されていたのでしょうか?
田口さん 事前相談はせず、事後も特になしでした。
――自由な社風を感じます(笑)。では、退職エントリを書いて良かったこと、想定外だったことはありますか?
田口さん 社会人時代にはご無沙汰だった方から、たくさんの連絡を頂きました。オタク社会人の経験を活かして、一緒に色々やりましょうと。ありがたいことです。他にも退職ブログにはゲーム&アニメの仕事をメインで書いたのですがアナウンサー業に関わらず、様々なジャンルのお仕事依頼を受けまして。詳しくはお話できないのですが、いずれ形にして行きたいと思っています。
自分がプレイしたゲームを、他の人が楽しんでいる様子を見るのがたまらなく愛おしい
配信遅れて申し訳ありません。
? 田口尚平(元アナウンサーいま無職) (@shohei_taguchi) March 25, 2020
eスポーツどうぶつの森実況、
テレ東アナウンサーver. です。#あつまれどうぶつの森 #あつ森 #ゲーム実況 pic.twitter.com/C91UsFVCbq
田口さん ウキウキな気持ちで勉強と仕事をやって行こうと思っていた矢先…という状況。ではありますが、この状況だからこそ出来ることをやって行くしかないと。こういう状況で人に元気やら感動を届けるのは、何かしらのコンテンツだと考えているので、制作側にまわって何か仕掛けたいですね。
――現在、どのように過ごしていらっしゃいますか?
田口さん 遊べてなかったゲームをやったり、マンガを読んだり、アニメを観たりしています。あとは早稲田ビジネススクール開講に向けてひたすら読書ですね。必要勉強量がエグイ。気分高揚のために家の中でキャンプをやったりもしています。あとはひたすらリングフィットアドベンチャー。筋肉は人生を明るくする。
田口さん 嬉しいです! ゲームはプレイするのは勿論ですが、見ているのも本当に楽しいですよね。私も最近までの生きがいはジャック・オ・蘭たんさん(ゲーム実況プレイヤー)の『KINGDOM HEARTS III(キングダムハーツ3)』実況でした。最終回迎えちゃったけど。自分がプレイしたゲームを、他の人が楽しんでいる様子を見るのがたまらなく愛おしい。ゲームに言葉を吹き込んだもので、ここまで心が揺れるとは思いませんでしたよ。素晴らしい文化です。自分も生み出す側にまわって、誰かを楽しませることが出来れば嬉しいです。
――SNSでの反響を見ると、同じような気持ちのユーザーは多々いることがわかります。
田口さん 各所でまとめを作って頂いたり、記事にして頂いたりしました。あとは、旧友からの連絡もなぜか増えましたね。小学校時代の友人とか。「みんな『あつ森』やってるんだなぁ〜!」と感心しました。ありがとう任天堂。反面、なんでテレビ見ても連絡くれないの?って思ってます。ツンデレかよ。
ゲームは5歳も40歳も一緒に楽しめてしまう魔法の教科書
田口さん 直近でいえば、周りの人間もふくめて親子で『あつ森』などのゲームをプレイするケースが多く見られますね。ゲームはコミュニケーションツールとしてとても優秀です。反抗期の親子や、倦怠期のカップルなど、会話にテンポが出ない関係値でもゲームという装置を噛ませれば話せることがとても多くなったりします。素晴らしい機能ですね。
――制限するだけでなく、一緒に楽しむことも一つのコミュニケーション手段になるんですね。
田口さん はい。大人の方が博識というのは現実世界のことであってゲームの中では対等な関係になることが”できます”。またゲームプレイを褒めることで子どもに自信をつけてあげることは、貴重な原体験になったりします。
――「教育に悪い」というのが一般的なイメージですが、そのような一面だけではない、と。
田口さん そうですね。ゲームは教科書だったりするのです。『Minecraft(マインクラフト)』などのサンドボックス系ではクリエイティブを、『Fortnite(フォートナイト)』などのバトルロワイヤル系では勝つためのPDCAを、様々なRPGでは本当に多くの物語を、非常にリッチな体験として学べたりします。しかも、5歳も40歳も一緒に楽しめてしまう魔法の教科書です。
田口さん まさにコペルニクス的転回です。なぜ制限をしようとするのか?どういう制限を敷いたらいいのか?せっかくの機会ですから、子どもが夢中になってしまう世界を、大人も一緒に覗いてみるといいかもしれないですね。
――では改めて、今後はどのようなことに取り組んでいく予定ですか?
田口さん 好きなものは好きで良い、ということがちゃんと言える世界の実現ですね。私がやりたいことを、理想とビジネス、両サイドからのアプローチで叶えて行きたいと思っています。高校、大学、社会人と少なからずオタクと馬鹿にされた経験があるので、そういうものを失くしていきたい。っていうか失くなりますよね。若者はネイティブに、サブカルと呼ばれていた文化に触れていますものね。偏見を持っている人がマイナーですよ、既に。