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視聴率1位『テセウスの船』担当Pが明かす、主人公に息づく“大映ドラマ”の遺伝子
「すぐに死ぬんですが出演してもらえませんか?」、豪華キャストら快諾
「原作のイメージそのままでもあるのですが、SFというリアルではない世界観なので、振り切りやすかったというのはあります。特殊メイクについては、『過去と現代で俳優を変えたほうがいい』という声もありましたが、その発想はありませんでした。やはり、過去も現代も、一人の人間として繋がっていないといけないと思ったんです」
そんな強烈なキャラクターを演じるのは、豪華な俳優陣。だが、彼らが早い段階で次々に死んでいくことも、視聴者に大きな衝撃を与えた。心の妻役の上野樹里は、1話で死亡(過去が変わったことで後に復活)。過去ではユースケ・サンタマリアや流星涼が、現代では麻生祐未、芦名星、せいやが演じる人物の死が早々に描かれている。
「隅々まで揃った豪華キャストが、大胆に死んでゆく…というのも、物語を徹底的に楽しんでもらいたいからこそ。キャストの方に出演交渉するとき、『すぐに死ぬんですが、出演してもらえませんか? でも原作は本当に面白いんです』とお願いしたところ、みなさん意図をくみ取ってくださり、快諾していただきました。早くに死んでしまうからといって、ハードルを下げずにキャスティングできたからこそ、視聴者の方にも興味を持っていただけたんだと思います」
お茶の間からSNSへ、変わるドラマの観方「ツッコミも歓迎」
「昨年の『あなたの番です』(日本テレビ系)あたりから犯人考察のブームが来たんでしょうか。確かに、昔と今ではドラマの見方は変わったかもしれません。でも、もともとドラマとは、お茶の間のテレビを家族みんなで囲み、あれこれ言いながら観ていたもの。それがSNSの登場によって、今は知らない誰かと楽しみながらあれこれ言って観ているんでしょう。そんな楽しみ方もアリだし、ツッコミながら観てくださることも歓迎しています (笑)。テレビとネットが繋がれば、また新しい時代が開かれるように感じます」
そんな物語も、残すはあと2話。一体どんなクライマックスを迎えるのだろうか。
「9話で、小籔千豊さんが刑事役で登場しますが、これが一つのポイント。さらに、犯人は手を緩めることなく、残酷な方法で父・文吾(鈴木亮平)と心を追い詰めていきます。後半を見返すと、わりとヒントが出ているかもしれません」
終盤に向けて、ますますスピーディーな展開を見せていきそうな『テセウスの船』。制作陣、出演陣の「楽しませたい」という熱い情熱に思いを馳せながら、最後まで見届けたい。
(文:今 泉)
日曜劇場『テセウスの船』
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