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ORICON NEWS
USJ、マリオを現実世界に持ってくるのに“5年”「今までの限界を超えるチャレンジ」
「妥協を許さない」マリオの生みの親・宮本茂氏監修の下、ピーチ城も“実物大”で再現
当エリアの構想は5年もの時間をかけて慎重に練られてきた。これまで、『ドラゴンクエスト』、『ONE PIECE』、『ハリーポッター』と、様々なビッグコンテンツを現実の世界に落とし込んできたUSJだが、今回ばかりは「今までの限界を超えるチャレンジだった」と山本氏は振り返った。
「任天堂さんからは、マリオの生みの親・宮本茂さんに何度も何度も足を運んで監修してもらいました。マリオは40年近く世界に愛されている素晴らしいコンテンツで、その世界観を守りながら作っていく過程で、様々なテクノロジーを使うことになりました。“マリオの世界”をリアルに持ってくるために、結果として“次世代のテーマパーク”が出来上がったと思います」
ゲームの世界観を固く守ることでも知られている宮本氏について、この5年間ともに新境地に挑んできた山本氏は「(宮本さんは)すごく愛情深くて、こだわりも、ユーザーへの配慮もすごく強い。決して妥協を許さない方」だと語った。
そんな、“マリオの生みの親”の深い愛情が加わった『SUPER NINTENDO WORLD』の一番のこだわりは、「リアルにその世界に入っていけること」。そのために、クッパ城やピーチ城などのコンテンツは、ゲストをマリオに見立てた時の実物大で作られている。それにより、“ハテナボックス”を実際に叩いている感覚や、ゲームの中に飛び込んだような臨場感が味わえるという。
また、エリア内で購入できるアイテム『パワーアップバンド』をオリジナルアプリと連動させることで、コインを集め、他のゲストとリアルタイムで競うこともできる。「まさにゲーム機でやっていたことを現実で体験してもらうために、世界最先端技術を使って、宮本さんとともに、ファンにとっても『なるほど!』って思ってもらえるものを作ることにこだわり抜きました」(同氏)
ニューヨーカーも「新エリア楽しみで待ちきれない」、日本招待に涙を流して喜ぶ子どもの姿も
「これだけ素晴らしいコンテンツを日本だけにするのは凄くもったいないので、世界的に注目されるようなNYでやろうと。逆にここでやることによって、世界的なコンテンツが日本から発信されたということ、そして日本で作られたものがこんなに世界で熱狂しているんだということを改めて知ってもらうことで、日本の人たちにも元気や誇りを持ってもらえるんじゃないか」(同氏)
また、マンハッタン最大の鉄道駅「グランドセントラルステーション」では、事前申し込みで当選した約1,000人が参加。約7時間にわたって、順に“ハテナブロック”をパンチするゲームが開催され、ランダムに選ばれた8人の当選者には『SUPER NINTENDO WORLD』の先行体験権を含む日本へのペア旅行が贈られた。
“チャリーン”というお決まりのコインSEが鳴り響く会場には、多くの観客が集まり、終始盛り上がりを見せていた。見事先行体験権を手にしたNY在住の20代男性は、3才の頃から任天堂ゲームの大ファンだそうで、「今日のゲームに参加できただけでも幸運なのに、最高の気分です!日本には大好きなガールフレンドと行きます。『SUPER NINTENDO WORLD』のマリオカートのアトラクションは絶対に素晴らしいだろうし、楽しみで待ちきれません!」と興奮気味に語っていた。中には、マリオのぬいぐるみを両手に抱え、涙を流して喜ぶ地元の子どもの姿も見られた。
そんな、世界の期待度に確かな手ごたえを感じた山本氏は「遊ぶって凄く大事なことだと思うんですけど、ゲームで遊びの世界を追求してきた任天堂さんと組んだ新エリアは、人の本能が全開する場所、という風に思っています。全身でゲームの世界に入り込んで、全身でそれをリアルに体験できて、チャレンジして…みたいなことがインタラクティブに体験できて、今までとは全然違うレベルで“遊びの本能”を発揮してもらえるんじゃないかなと思っています」と自信を見せた。