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日本一のトランスジェンダー美女「心と体の性別が違うことを確信したのは初恋のとき」

 毎年タイで開催されるトランスジェンダーによる、世界最大のビューティコンテスト『ミスインターナショナルクイーン』。今年1月、その日本予選大会でグランプリを獲得したのが、エキゾチックな顔立ちの長身美女・van(ヴァン)さんだ。受賞直後、両親への感謝とともに「日本をもっとLGBTに理解ある国にしていきたい」と口にした彼女に現在の心境をインタビュー。3月8日に行われる世界大会に挑む、日本一のトランスジェンダー美女が語った過去と理想の社会とは?

幼稚園で初恋。好きになったのは男の子だった

――改めて、日本一になったお気持ちをお聞かせください。

【van】 正直、まだまだ実感はありません(笑)。ただ、予想を上回る反響の大きさに、びっくりしています。大会中から、全部にお返事するのに5日もかかったくらいものすごい量のおめでとうメールをいただいたり、私が働いているシューズブランドのショップに遊びに来てくれた子が、会ったとたんに泣き出しちゃったり。嬉しい反面、ただただびっくり!

――ご自身の“心”が女性だということに気づいたのはいつですか?

【van】 変な言い方ですけど、自分では生まれてすぐにわかっていたと思うんです。小さい頃から「青はやだ」とか、お菓子はネックレスや指輪がおまけについているものを買ってもらってたので。確信したのは幼稚園で、初めて男の子を好きになったとき。私に限らず、ニューハーフの子はほぼ全員、初恋のタイミングで確信するんじゃないかな。
――学生時代は男の子として過ごしていたんですか?

【van】 キャラは今と変わらない感じですけど、外見的には、高校までは男子用の制服を着ていました。というのも、親から「絶対に高校は卒業しろ、手に職をつけろ、世渡り上手になれ」って、ずっと言われていたので(笑)。だから、高校卒業までは我慢して、その後は自分らしく生きようと決めていたんです。あ、でも高校時代に髪はもう伸ばしていましたね。高校卒業後は、お化粧もできて服装も自由な美容の専門学校に入りました。

――学生時代、心と一致しない性(男性)でいることで苦しかったこともあったのでは?

【van】 中学生くらいになると、授業や課外活動で男女別に行動する機会が多くなるじゃないですか。仲のいい女の子と同じグループで行動できないのはイヤで仕方なかったですね。あとはやっぱり恋愛かな。当時好きだった人も、私の心が女性なのは気づいていて、ふだんから女の子として扱ってくれてたんだけど、結局、私の女友達とつきあったり。あれは辛かった(笑)。

両親は私のことを私以上に理解しようとしてくれた

――性格や環境よっては、いじめの対象になることもありますよね。

【van】 私の場合は男女問わず友達も多かったし、いじめられたりすることもなかったので、その点ではすごく恵まれていました。でも、いじめの対象になりやすいのは確かだと思います。トランスジェンダーの子は、社会に出るまでの間が一番辛いと思うんですよ。社会に出てしまえば無理に周りに合わせなくていいですよね。だから、トランスジェンダーの後輩たちには「社会にでるまで頑張れ」って思うんです。

――自立するまでをいかにサポートするかが大事ということですね。

【van】 そうですね。だから私も当事者にメッセージを送るよりも、トランスジェンダーの子どもを持つ親に対して何かできないかな、と思っているんです。親たちの話を聞く相談会や、私の経験をお話する講演会とか。きっと今なら、ベストとは言わないまでもベターなアドバイスができるんじゃないかな。
――vanさんのご両親は、vanさんがトランスジェンダーだというのをいつ頃知ったんですか?

【van】 私は何も言ってないんですけど、かなり早い段階で、気づいてたみたいです。やっぱり親はすごいですよね。とくに母は、トランスジェンダーについて私以上にいろいろ調べて、理解しようとしてくれたみたい。学生時代も今も特に何かを言われることは一度もなかったですね。いつもありのままの私を受け入れてくれてます。

――ご両親がありのままの自分を理解してくれる、受け入れてくれるっていうのは大きいですよね。

【van】 そうですね。高校時代、髪を肩下くらいに伸ばしてて、先生から「切れ」って言われたときも母親が一緒に戦ってくれたし。親や周囲の人が、若いうちからちゃんと認めてあげれば、本人にとって生きやすいだけじゃなくて、日本にキレイなトランスジェンダーがもっと増えるんじゃないかな(笑)。

性別で線引きされることのない、みんなが普通に暮らせる社会になれば

――専門学校を卒業した後、最初に就かれたお仕事は?

【van】 ふつうの女性として暮らしたかったので、ヘアメイクの仕事をしながら、夜はバーで働いたりしていました。でも25歳のとき、仕事をすっぱりやめて、今も働いているニューハーフのショーパプに入ったんです。それまで私の周りにはニューハーフの人がひとりもいなかったので、同じ境遇をわかちあいたいという気持ちもあったし、ニューハーフについての情報や正しい知識もほしいと思って。

――ニューハーフのお店で働くようになって、どんな発見がありましたか?

【van】 みんな、思ったより普通だなって。ニューハーフって、もっとぶっとんでるのかと思ってたけど(笑)。
――現在はアパレル系のお仕事もされていますよね。

【van】 夜はショーパブで働きながら、昼間はシューズブランドのビジュアルプレスとしてPRの仕事をしています。仕事の面でも私は恵まれているなって思っています。

――やりたい事をできているからですか?

【van】 トランスジェンダーが昼間のお仕事につくのって、まだまだハードルが高いんです。自分のやりたい仕事につくのって、普通の人でも大変なことだと思うんですけど、トランスジェンダーだと、業種が限られてしまったり、面接に行ったら名前と顔が違うって驚かれたり。そこは不平等だなと思うし、変えていきたいですね。

――昨今では、日本でも女子大でトランスジェンダーの受け入れを検討したり、ミスユニバースにトランスジェンダーの方が出場したりと、トランスジェンダーを取り巻く環境も変化しつつあるのかなと思うのですが。

【van】 個人的には、そういうニュースが大々的に報じられるたびに、まだまだこの国は、理解が足りないなって感じてしまうんです。性的マイノリティだとしても、そういうことがいちいちニュースにとりあげられなくなるくらい、男とか女とかニューハーフとかで線引きされることのない、みんなが“普通に暮らせる”世の中になればいいなって思います。

――最後に世界大会にかける意気込みをお願いします。

【van】 英語も話せないので正直ビビってるんですけど、気持ちで負けないよう、毎日「勝つ勝つ勝つ!」って自分に言い聞かせています。世界一の美女に選ばれて、心と身体の性が一致しないトランスジェンダーへの理解を広げるサポートができたらいいなと思います。そのためにも全力で頑張ります!

インタビュー・文/今井洋子 撮影/臼田洋一郎 撮影協力/アンジェパティオ
INFORMATION
◆ van インスタグラム @van0129 
◆ アンジェパティオ 〒150-0036 東京都渋谷区南平台町12−11 

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