(更新:)
ORICON NEWS
“昭和”からの変革、「平成仮面ライダー」が提示した3つの功績
仮面ライダー役が若手俳優の目標に!作品としての“格上げ”が好循環呼ぶ
さらに、賀集利樹、要潤といったイケメン若手俳優が登場してくると、子どもと一緒に見ていた母親層の人気も獲得。以降、半田健人(『仮面ライダー555』)、水嶋ヒロ(『仮面ライダーカブト』)、佐藤健(『仮面ライダー電王』)、瀬戸康史(『仮面ライダーキバ』)、菅田将暉(『仮面ライダーW』)、福士蒼汰(『仮面ライダーフォーゼ』)、竹内涼真(『仮面ライダードライブ』)らが主演を務め、“イケメン俳優の登竜門”という方程式を確立。今や「ライダー役になればブレイクする」といった都市伝説まで生まれている。こうして若手俳優の登竜門として作品の“格”が上がったことにより、半年程前からオーディションを開催しなければならないほど多くの若手俳優が仮面ライダーを目指すまでになり、優秀な人材を輩出し続けられる好循環も起きている。
子ども騙しでない重厚なストーリーに釘付け!親子三代で楽しむ優良コンテンツに
実際、SNSでは「なんだか仮面ライダー系は母もハマっちゃうね!笑イケメン俳優さんに日曜の朝は癒されてるよ」「80代の祖母とプリキュアからの仮面ライダージオウ見ながら朝ごはんを食べる日曜日の朝。平和だ…」といった声が多数見られ、現在のライダーシリーズは、父親と母親、さらには初期ライダーを見ていた祖父母世代を加えた、親子三代で楽しめる優良コンテンツになっているのだ。さらに、獲得した新規ファンはファミリー層だけではない。若手俳優の起用は独身女性からも支持を得るという想定外の効果があった点も見逃せない。
「なんでもアリ」の自由な発想は、ブランドの“経年劣化”を防ぐ役割も
また、「もはや仮面ライダーに見えない」と話題になった『仮面ライダーエグゼイド』はゲームキャラのような3頭身の姿も用意され、大人が持つ“仮面ライダーとはこういうもの”という固定観念を破壊。そうした“自由さ”の系譜は、現在放送中の『仮面ライダージオウ』にも受け継がれている。SNSでは「仮面ライダーエグゼイドから子供たちが仮面ライダーを好きになり、それに便乗して自分もハマった。作品を新しいものから逆に全話制覇」といった声も。このように、“ライダーの有り様”を毎シーズンリセットし、常に新鮮な状態で見られる状態をキープすることが、ブランドの経年劣化を防いでいるとも言えるだろう。
“ぶっ飛び”デザインはもはやお約束。でも見慣れると次第にかっこよく見えて、どんどんハマっていく“沼”状態の平成仮面ライダーたち。今後、新たな元号のもと、どんな斬新なライダーが誕生するのか楽しみだ。
文:奥村シンゴ
【仮面ライダー龍騎】し烈なライダーバトルの一方で「ゆとり教育」がスタート
【仮面ライダークウガ】IT革命の最中、11年ぶりにTVシリーズ復活
【仮面ライダーアギト】21世紀の幕開け 複数ライダー描き分けの流れ生む
【仮面ライダー555】ベルトに折りたたみ式携帯電話 怪人の物語も描いた意欲作